国連大学から越境データ流通に関する技術ブリーフ発表

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  • 2023年11月7日     東京

    国連大学のチリツィ・マルワラ学長、エレノア・フルニエ=トムズ博士(UNU-CPR)およびサージ・スタンクウィッチ博士(UNU Macau)が、技術ブリーフ「越境データ流通の規制:グローバルで包摂的な人工知能のための安全なデータ共有の活用」を発表しました。

    この技術ブリーフの目的は、越境データ流通に関するグローバルで包摂的な規制に対して政策を提言することです。国際的なデータ流通は、イノベーションを促進し、生産性を向上させ、国際貿易を円滑化することにより、経済成長に貢献しています。また、貧困、飢餓、気候変動、不平等といった地球規模の課題を解決するために使用できるデータや知識の共有を可能にするため、持続可能な開発目標(SDGs)の達成においても不可欠です。しかしその一方で、プライバシー、セキュリティ、データ保護の観点から、越境データ流通に対して懸念が生じています。こうした背景から、政策決定者たちが国境を越えたデータの共有や再利用という利点を活かしながら、相応なリスクへの対応やデータの機密性を考慮し、取扱いの目的と文脈を理解することはきわめて重要となってきています。

    現在の越境データ流通に関する規制は、中国や日本、インド、ロシアといった国家レベルから、EUやASEANといった地域レベルまで様々で、規制の範囲やデータ保護基準、執行と罰則も大きく異なっています。このような規制の違い、そしてとくにグローバル・ノースとグローバル・サウスの間の越境データ流通における格差は、インターネットの断片化をもたらし得るため、グローバルな越境データ流通の枠組みを構築することが必要です。国際的な連携により、経済成長とデータ保護やセキュリティを両立する調和のとれた政策枠組みを構築することは可能であり、本技術ブリーフはそのための10の政策提言を含んでいます。

    技術ブリーフは下記リンクからダウンロードいただけます。