2016年4月12日
2016年4月12日、東京 — 国連大学は、ヴラディミール・スマッティン博士を国連大学水・環境・保健研究所(UNU-INWEH)の次期所長に任命したことを発表します。
UNU-INWEHは、カナダのオンタリオ州ハミルトンに拠点を置く研究所であり、カナダ政府とマクマスター大学の後援を受けています。既存の科学的知見、新たな政策課題を特定するための最先端の研究、現場に則した拡張性のあるソリューションの適応、および適切な一般市民向け普及活動を統合することによって、緊急性の高い地球規模の水関連問題の解決に貢献することを目指しています。
スマッティン次期所長は、2006年からUNU-INWEH所長を務めてきたザファール・アディール博士の後任として、2016年6月下旬に就任します。
「このたびは、UNU-INWEHの業績のさらなる発展に貢献する機会をいただき、大変光栄です。UNU-INWEHの研究チーム、マクマスター大学の研究者、そして国連大学のグローバルな教授陣と緊密に協力をし、水と開発における学際的『シンクタンク』として、独創的で応用の利く政策研究と明確に関連付け、各国がそれら研究をより効果的に実行に移せるよう助力することで、UNU-INWEHがさらに大きな役割を果たせるよう尽力いたします」と、スマッティン博士はコメントしています。
スマッティン博士は、世界規模および各地域における水の変動性と希少性、環境に配慮した水管理、気候変動、食料安全保障に重点を置きながら、水資源に関わる広範な分野で研究者および研究管理者として活躍した30年間の経験を生かし、所長の任務に当たります。
2008年からは国際水管理研究所(IWMI、スリランカ)における水の利用可能性・リスク・レジリエンス研究部)の部長を務め、アジアやアフリカの20カ国以上でプロジェクトを進めました。その一方で、2011年から水・土地・生態系(WLE)に関する国際農業研究協議グループ(CGIAR)の世界的な研究プログラムにおける一部門の責任者を務めるとともに、CGIAR気候変動・農業・食料安全保障プログラム(CCAFS)のIWMI研究ポートフォリオの調整を行いました。
2001年から2008年までは、IWMIの主任水文学者として、アジアやアフリカおよび世界各地で数多くの研究プロジェクトを指揮しました。また、IWMIの広報・知識管理部部長代理も務めました。1993年から2001年までは南アフリカに駐在し、初めグラハムズタウンにあるロードス大学水研究所において水文学上級研究員を、その後、プレトリアにある科学・工業研究評議会(CSIR)で上級水管理専門家を務めました。
スマッティン博士は、ロシア科学アカデミー水問題研究所にて水文・水資源学の博士号を取得しています。また、専門誌の記事、書籍、編著の章など、200以上の研究出版物を執筆しています。
デイビッド・マローン国連大学学長は、「スマッティン博士を国連大学にお迎えすることができ、大変嬉しく思います。博士のリーダーシップのもと、UNU-INWEHは活動のレベルと質を維持するに限らず、さらに高めていくと確信しています」と述べました。
さらに、「またこの場をお借りして、10年間にわたりUNU-INWEH所長として国連大学の活動に貢献してくださったアディール博士に心から感謝いたします」 と加えました。
UNU-INWEHの次期所長に任命されたヴラディミール・スマッティン氏へのインタビューをご希望の方は、国連大学広報部広報担当の西川までご連絡ください。 (+81 3-5467-1298、nishikawa@unu.edu).