2021年5月19日
国連大学のデイビッド・マローン学長は、5月10日に駐日モロッコ王国大使館が主催した「国際アルガンツリーデー」のオンライン記念式典に登壇しました。
2021年3月に国連総会で国際デーとして採択されてから初めて開催された式典で、マローン学長はお祝いの言葉を述べるとともに、アルガンオイルがモロッコ経済において重要な役割を果たしていると指摘しています。
「現在、アルガンオイルは世界中の消費者から高級化粧品として重宝されています。そして、モロッコの女性を中心とした200万人以上が、アルガンオイルという比較的新しい輸出産業により生計を立てています」とマローン学長は述べました。
アルガンの木とは、世界中でモロッコ南西部のみに自生している樹木です。その木の種子から採取できるアルガンオイルは、美容と健康に高い効果があるということで、近年日本でも知られるようになりました。そして、2021年3月の国連総会で5月10日を「国際アルガンツリーデー」として採択されました。
本イベントで、ラシャッド・ブフラル駐日モロッコ大使は、アルガンの木が古来から料理、美容、薬効に加え、生態系への保全に貢献していると述べました。また、アルガンの木が2014年にはユネスコの無形文化遺産として登録され、2018年には食糧農業機関(FAO)により世界的に重要な農業システムとして認められ、持続可能な開発の源になっていると紹介されました。
また、元外務大臣であり、日本・モロッコ友好議員連盟の会長を務める中曽根弘文参議院議員より祝辞が送られました。中曽根氏は、日本が2016年から国際協力機構(JICA)を通じて産学連携による研究開発を行い、アルガンオイルの科学的根拠に基づく高付加価値産品化など、モロッコの新産業振興に向けた技術協力を実施していることについて述べました。