2023年1月27日 カラカス
国連大学は1月27日付で国連大学中南米バイオ技術プログラム(UNU-BIOLAC)の新プログラム・コーディネーターにグスタヴォ・フェルミン博士を任命しました。
フェルミン博士はプログラム・コーディネーターの役割において、UNU-BIOLACの活動の焦点や組織体制、運営、パートナーシップ構築などの舵取りを担います。前任はイヴァン・ガリンド・カストロ博士です。
UNU-BIOLACは科学、技術、社会の交点における研修と研究を支援する組織であり、その活動を通じ、最新のバイオ技術が持続可能な社会経済開発を促し得ることを示しています。同プログラムはベネズエラ政府の支援を受け、カラカスに本部を置きます。
「UNU-BIOLACの新プログラム・コーディネーターとしてグスタヴォを国連大学組織に迎えられることを大変うれしく思います」とデイビッド・マローン国連大学学長は述べました。「彼はバイオ技術における豊富な経験に加え、研究協力や若手研究者のメンターシップおける実績があり、公正で持続可能な開発に注力する次世代のバイオ技術専門家を育成してきたUNU-BIOLACの成果を、更に後押ししてくれるでしょう。」
「持続可能な開発や人間の福祉に到達するための取り組みにおいて、バイオ技術は信頼のおける相棒として大きな役割を果たせます」とフェルミン博士は述べました。「国連大学の本プログラムを率いるという大役に挑戦できること、そして、UNU-BIOLACの仲間やパートナーと協力して、バイオ技術ソリューションの追求において若手研究者を支援していけることを楽しみにしています。」
フェルミン博士はカラカスで育ち、ロスアンデス大学(ベネズエラ・メリダ市)出身の生物学者です。ロスアンデス大学から分子生物学の修士号を取得した後、ニューヨーク州のイサカとジェニーヴァに所在するコーネル大学で博士課程に進み、植物病理学の博士号を取得しました。
ニューヨーク、そしてその後ハワイで継続されたフェルミン博士の研究は、自然または人工的な導入遺伝子によってウイルスへの抵抗力を持つトランスジェニック植物の開発や、その分子特性評価に焦点を当てたものでした。その後、ベネズエラに帰国してロスアンデス大学で学術活動を再開し、遺伝学や遺伝子工学、分子生態学、生命倫理学などの分野で学部生や大学院生の講義を担当しました。
さらに、フェルミン博士はこれまでに多くの学部生や大学院生のメンターを務め、彼らと共に国中を旅して生物多様性の研究プロジェクトを追求してきました。同研究では、生態学や衛生、保全、バイオ技術などの側面から重要なウイルス、バクテリア、細菌、クロミスタ、植物、そして動物を調査してきました。
フェルミン博士は100以上もの出版物を執筆ないし共著し、その中には「Viruses: Molecular Biology, Host Interactions and Applications to Biotechnology (Elsevier, 2018)」が含まれます。