Sustainable Development Goal 15

陸の豊かさも守ろう

人間と地球の繁栄は、陸上の生態系が健全に保たれているかに左右されます。地球の3分の1近くは森林で覆われており、陸上の動物、植物、昆虫の全種類の80%が生息していますが、過度の森林伐採と土地の劣化は、貴重な生物多様性と、農業従事者などの暮らしを脅かしています。土地へのダメージの回復は、気候変動に対処し、また貧困に終止符を打つ上でも不可欠です。

人間と環境の持続可能な関係を構築するため、国連大学は、生態系の変化と資源利用とにまたがる領域で調査を進めています。例えば、メコン川デルタ地帯での研究では、気候変動や塩水侵入による影響への対応として、地域の農家に農業方法の刷新を促しています。また、土地修復研修プログラムでは、途上国の学生に対し、土地の劣化や砂漠化、土壌の回復、持続可能な土地の管理について実践的な教育を提供しています。

研究者からのメッセージ

西 麻衣子

国連大学 サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)
リサーチ・フェロー

「私たちは、生活水準とクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を保つために土地に依存しています。人類が陸上で自然と調和して生きることは、持続可能な世界に向かう重要な一歩です。人々の行動が、土地についての主観とどう関連しているのか、また土地利用計画が人々のウェルビーイングの改善にどのように役立つのかを研究しています」

フアン・パストール・イヴァールス

国連大学 サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)
リサーチ・アソシエイト

「都市では自然に対する人間の支配が顕著であり、そのため自然がSDGsの達成を促す働きをします。私の研究では、都市に自然があることの環境上のメリットと人間への恩恵についてのエビデンスを見つけ、市民による包摂的で教育的な取り組みを都市の自然を保全・開発するために提供することを目指しています。こうした新しい緑の共同広場によって、自然との一体感 ― 様々な生物が平和に共存し、生物および文化が多様な世界 ― の再生を促します」

ゲラルド・フォルクオール

国連大学 アフリカ自然資源研究所(UNU-INRA)
リサーチ・フェロー

「土地は、弱い立場にある多くの人々に食料や淡水、その他の生態系サービスを提供する重要な資源です。しかし、人間と気候の影響により、土地の生産性はますます落ちています。食料安全保障と生活の改善のために、農村の人々が持続可能な方法で土地の生産性を高められるような知見の創出に取り組んでいます」

注目のプロジェクト

国際SATOYAMAイニシアティブ

このプロジェクトは、ある地域・空間において多様な人間活動と自然環境を総合的に取扱い、課題解決を導き出す「ランドスケープ・アプローチ」を通じて、生物多様性と人間のウェルビーイングに寄与する取り組みです。258のパートナーが参加し、生物多様性条約や生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォームなどの政策アジェンダに役立つエビデンスを創出しています。

VALE

VALEプロジェクトでは、各国における仙台防災枠組の実施を支援しています。また、地球観測に基づく情報製品を特定の指標に関して開発し、さらにそうした製品の有効性を、エクアドルでの洪水による損失と被害に関する既存のデータベースに基づいて実証するための、革新的な手法を考案しています。

CLIMAFRI

CLIMAFRIプロジェクトでは、トーゴとベナンの国境にまたがる河川流域を対象に、現在と将来の洪水リスクを低減し、適応戦略を開発すべく取り組んでいます。現地のステークホルダーおよび自治体から得られた科学に基づくデータと知識を統合しながら、気候変動を考察しています。

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