第20回ウ・タント記念講演は、1996年ノーベル平和賞受賞者であり、東ティモール民主共和国前大統領(2007~2012年)であるジョゼ・ラモス=ホルタ氏をお迎えして開催します。
ラモス=ホルタ前大統領は、平和構築と、東ティモールの独立に向けた長い戦いの最中およびそれ以降に得られた教訓を中心に講演を行います。東ティモールが過去10年にわたり、どのように民主化と社会経済の発展を促進したか、またこうした努力がいかに成功したかについての見解を語ります。また、コミュニティやマイノリティを排除することのない包括的な開発を達成するための今後の課題にも重点を置きます。
ラモス=ホルタ前大統領の分析は東ティモールにとどまらず、持続可能な開発を優先し、地域の人々すべての生活水準を向上させるべきアジアの責任を強調します。背景には、過去数十年にわたり達成した進展を妨げかねない、現在進行中の領海をめぐる境界争いがあります。
講演に続き、国連大学客員教授であり、元東ティモール国連事務総長特別代表および国連東ティモール支援団(UNMISET)代表である長谷川祐弘博士にコメントをいただきます。
最後に聴衆のみなさまとの質疑応答を予定しています。
日英の同時通訳もあります。
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第20回ウ・タント記念講演 講演者について
ジョゼ・ラモス=ホルタ氏は、東ティモールがインドネシアに占領されている間(1975~1999年)、ティモールの人々の代表およびスポークスパーソンとして、国外で活動しました。こうした活動のなかでも、「東ティモールにおける紛争の正当で平和的な解決への尽力」が評価され、彼はカルロス・フィリペ・シメネス・ベロ(東ティモール司教)とともに1996年ノーベル平和賞を受賞しました。選考委員会は、ラモス=ホルタ氏を「東ティモールの大義のための優れた国際的スポークスマン」と称し、彼が「『和解会談』を通じて、また当該地域のための和平案を策定したことによって、意義ある貢献を行った」ことを挙げました。
2000年から2002年まで、ラモス=ホルタ氏は国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)の閣僚を務めました。2002年から2006年までは、新国家、東ティモール民主共和国外務・協力担当大臣、2006年から2007年までは、第2代首相を務めました。 2007年5月、ラモス=ホルタ氏は東ティモール民主共和国大統領に選出され、2012年5月までその職を務めました。
彼は、アジアの平和と和解協議会(APRC)の創設メンバーであり、現在は副議長を務めています。APRCは、アジア各地の元政治指導者や外交官からなり、静かな外交を通じてアジア地域の平和と和解を促進するために、2012年9月に設立されました。
ラモス=ホルタ氏はアンティオック大学で平和学修士号を取得(1984年:米国オハイオ州)、また、世界8カ国(日本と米国を含む)の大学から名誉博士号 を授与されています。さまざまな新聞に国際情勢について幅広く執筆し、東ティモール民主共和国(東ティモール)について3冊の著書もあります。
国連大学本部(渋谷区)