世界的な目標を行動に変える

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  • 2015年12月2日

    ロバート・リンドナー

    The Global Goals

    この記事は、国連大学の「17日間で17の目標」シリーズの1つであり、国連の持続可能な開発サミットに対して補足する形でのリサーチおよび論評を特集しています。

    目標#17: 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

    目標17は、多くの点で他の16個の持続可能な開発目標(SDGs)と大きく異なります。まず目標17は、1つの開発分野を扱うのではなく、持続可能な開発のさまざまな促進要因や障害をリストアップした、一種の包括的枠組みです。

    他のSDGsにはそれぞれ、問題別の実施手段(MOI)が含まれていますが、目標17は、実施にかかわる根本的な問題群に対処するためのツールキットといえるものです。つまり目標17は、この意欲的な世界的アジェンダを実現するための方法について、アイデアを提供するものなのです。

    目標17のもう1つの際立った特色は、金融と貿易、技術移転、能力構築、マルチステークホルダー型のパートナーシップ、モニタリングといった分野を網羅する驚くべき数のターゲットです。これらはすべて、SDGsを順調に行動に移すために不可欠な分野です。しかし、19のターゲットのうち、測定可能な目標値が設定されているのはわずか3つです。残りは、「強化する」とか「推進する」といった具体性に欠ける表現が使われ、かなりあいまいな内容となっています。

    MOIに関して開発途上国と先進国の間で緊迫した交渉が行われ、新アジェンダが幾度も頓挫の危機に見舞われたことを考えると、これは驚くにはあたりません。交渉過程で、MOIの問題、とくに金融と技術移転のMOIについては、その大部分が開発のための資金調達(FFD)に関する審議の第2弾に持ち越しとなりました。

    交渉の結果、SDGsの今後の実施に向けた基盤となるアディスアベバ行動目標が、2015年7月に採択されました。FFDの成果には金融や貿易に関する大きな公約は含まれていませんが、効果的に実施されればそれと同じくらいに重要なものとなりうる開発のための新たな手段がいくつか含まれています。

    そうした手段の1つは技術・知識移転に関するもので、これはますます「持続可能な開発」の重要な要素とみなされつつあります。目標17には「世界的な技術促進メカニズム」が含まれており、これは、新たに設置された「SDGsのための科学、技術、イノベーションに関する国連機関間タスクチーム」、情報共有のためのオンラインプラットフォーム、およびマルチステークホルダー・フォーラムという3つの要素で構成されています。

    さらに、後発開発途上国に特化した新たな「技術銀行」が2017年に開業する予定です。これは確かに、技術移転を持続可能な開発の不可欠な要素とみなす大きな前進ですが、これらの新しいメカニズムの最終的な設計によってその成果は大きく左右されます。知的財産権の問題などの障害を克服する必要があるだけでなく、新たな輸出機会として先進国に利用されるだけで終わってしまうという落とし穴を回避しなければなりません。

    新アジェンダの顕著な特徴である連結型のMOIは、持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップという概念です。国際社会は、この概念が開発援助の「伝統的な」形態に代わる官民パートナーシップ(PPP)へと矮小化されることのないようにしなければなりません。PPPは近年広く普及しつつあり、特定の条件のもとでは公的な対外援助の流れを強化しうるものですが、民間企業の関与の性質をより透明なものにする必要があります。民間企業は、厳密な報告枠組みとより広範な説明責任を採用しなければなりません。

    SDGsとMOIの実際的側面の多くはまだ決まっていません。今後数カ月、数年の間に、一連の意欲的な世界的目標を具体的な政策や持続可能な公約へといかにして変えていくのか(または変えていくことができるのか)ということが明らかになるでしょう。運が良ければ、そして主義に基づいたリーダーシップがあれば、この政策開発プロセスはオープンな審議プロセスへと進化するでしょう。このプロセスは、過去数年間に及ぶ「持続可能な開発のための2030年アジェンダ」の策定過程で採用された、プロセスの最も良い面のすべてを具体化したものでなければなりません。

    最後に、SDGsは自発的なものだということに留意する必要があります。その成否は、さまざまな主体の積極的な参加とコミットメントによって大きく左右されます。国連で交わされる抽象的な政治用語を現場での意味のある行動へと変えること、また真の持続可能な開発を現実のものにすることは、政府や非政府組織や民間企業だけの課題ではありません。それは私たち全員の仕事なのです。

    市民社会の関与は、最も重要なMOIでしょう。そして新アジェンダは、開発途上国の市民と先進国の市民のエンパワーメントを同時に図るチャンスを与えてくれます。例えば、コミュニティは国の優先事項の設定に関与することができますし、市民はSDGsの諸要素の配置に関して行動を起こして政治家の責任を問うことができます。

    しかし、新アジェンダがより幅広い市民を関与させ活性化することができなかった場合、SDGsは抽象的な頭文字であらわされた一連の「願望的」概念にすぎないものとなってしまいます。SDGsが居住可能な地球を未来に残すために不可欠な地球のスチュワードシップと開発を順調に実現できるかどうかは、私たち次第なのです。

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