貧困の方程式から飢餓を排除する

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  • 2015年10月29日

    レイチェル・シンドラー

    The Global Goals

    この記事は、国連大学の「17日間で17の目標」シリーズの1つであり、国連の持続可能な開発サミットに対して補足する形でのリサーチおよび論評を特集しています。

    目標2: 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

    飢餓は極度の貧困の中心に位置しています。両者の関係の重要性は、ミレニアム開発目標(MDGs)の目標1「極度の貧困と飢餓の撲滅」でも強調されていました。この目標の具体的なターゲットは、「2015年までに飢餓に苦しむ人口の割合を1990年の水準の半数に減少させる」というものでした(飢餓は、1人当たりの1日に摂取できるカロリー数の全国平均、ならびに5歳未満の低体重児の数で測定)。

    MDGs目標1の重点は、何よりもまず、入手できる食料の量を増やすことにありました。進展はあったものの、このターゲットを達成するための取り組みは、異常気象や自然災害、不安定な商品価格、食料・エネルギー価格の上昇、景気後退など、多くの障害に直面しました。そして非常に多くの国で、紛争や政情不安がこれらの障害を悪化させたのです。

    農業集約化に重点的に取り組むことによって、必然的に、水の利用、土地の利用、環境悪化の面で代償を払うことになりました。1950年以来、世界全体で、人工的にかんがいされた土地の面積は2倍以上に増加し、肥料と窒素の使用量はそれぞれ5倍と8倍に増えました。これはすべて、温室効果ガスの排出増加、土地、水、空気の質の低下、水不足と水紛争の増加につながっています。

    こうした課題と、食料生産は世界人口の増加を支えきれないのではないかという根強い懸念が、持続可能な開発目標(SDGs)のアプローチを形成しています。SDGsの重点は、最終目標のみにあるのではなく、それを達成するために採用される手段にもあります。

    そのため、重視されるのは持続可能性です。MDGsへの取り組みの過程で、戦略とアプローチが進化したのです。

    ポスト2015年開発アジェンダでは、飢餓と食料の問題は、目標2「飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進すること」の中で取り組まれます。目標2とそのターゲットは、飢餓に「持続可能な形で」終止符を打つことは農業生態系をより大きな文脈でとらえることを意味するという認識の高まりを示しています。

    しかし、飢餓、食料安全保障、栄養、農業のつながりや相互関連性についてだけでなく、農業生産方式や食料システムの開発アジェンダ全体との関連性についても正しく理解することが重要です。この意味で、国連大学物質フラックス・資源統合管理研究所(UNU-FLORES)が考案した概念的枠組み「ネクサス(関係)アプローチ」が必要となります。

    目標2とそのターゲットは、他のほぼすべての目標と本質的に結びついているため、他から切り離して考えることはできません。例えば、食料安全保障は土壌の安全保障(質、回復力:目標15)、水の安全保障(再生可能性、利用可能性、質:目標6)、エネルギーの安全保障(供給、価格、信頼性:目標7)、気候の安全保障(最適な気温・湿度条件、異常気象の頻度低下:目標13)、経済の安全保障(収入と資源へのアクセス:目標8および9)、ならびに消費パターン(目標12)、ジェンダーの平等(目標5)、政治的安定(平和と調和:目標16)に大きく依存しています。

    UNU-FLORESの報告書「 Advancing a Nexus Approach to the Sustainable Management of Water, Soil and Waste(水、土壌、廃棄物の持続可能な管理のためのネクサスアプローチの推進)」は、食料システム、生態系、社会システム、経済システムの相互関連性を明らかにしています(図1をご覧ください)。この視点から見ると、食料安全保障と持続可能な農業の達成が人間の健康(目標3)、教育(目標4)、ジェンダーの平等(目標5)、および海洋システム(目標14)に直接的に恩恵をもたらすということは明らかです。

    このように目標2とその他のSDGsとの間にさまざまな関係があるということは、食料安全保障と農業慣行がより広範なポスト2015年開発アジェンダにおいて基礎的な役割を果たすということを示しています。つまり、目標2の達成に向けた効果的、効率的、かつ持続可能な戦略の策定は、持続可能な開発目標を総合的に達成するためのカギとなるのです。

    人口が増加しても、限られた資源で、また土地の生態系をさらに劣化させたり森林を農地に変えたりすることなく、食料安全保障は「理論上は」達成可能だということは朗報です。しかし世界の指導者たちは、水や土壌(ならびに廃棄物)などの資源が食料安全保障の基盤だということを理解する必要があります。持続可能な農業は、土壌資源の利用可能性と質、ならびに土壌資源と水資源、植物(作物種)、「廃棄物」との相互関係に依存しているのです。

    土壌肥沃度を保ち改善する必要性は、有機廃棄物、肥料、廃水の適切な利用によって大きく左右されます。したがって、目標2(および他の多くのSDGs)を達成するためには、これらの資源の間の相互作用、すなわち水と土壌と廃棄物のネクサスを適切に管理することができる農業慣行のさらなる開発と実施が不可欠となるのです。

    Figure 1: The interdependence of food security on security of natural resources, and economic and political security

    図1:食料安全保障と、自然資源の安全保障および経済的・政治的安全保障との相互依存関係

     

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