ジンバブエ共和国大使がアフリカ開発会議の進展について講演

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  • 2013年1月18日     東京

    Zimbabwe Ambassador to Japan Stuart Comerbach. Photo: Sean Wood/UNU

     

    第5回 アフリカ開発会議 (TICAD V)の横浜での開催を2013年6月に控え、ジンバブエ共和国のコンババッハ大使が、1993年に第1回が開催されて以来のTICADのプロセスの進展を概観する講演を行いました―1993年当時、「アフリカ開発のアジェンダはまだ国際社会の意識から外れたものでした」。当初、TICADのプロセスは(日本側からの)一方的な傾向が強いものでしたが、近年はアフリカが独自の優先課題と開発アジェンダを示しはじめています。

    アフリカ大陸の多くの部分で急速な経済発展が進む中、アフリカは今、日本が政府開発援助(ODA)主導のプロセスから戦略的パートナーシップへと移行するよう呼びかけています。コンババッハ大使は、アフリカ人にはビジョンとアイデアがあること、そしてアフリカ人が求めているのは独自の目標を達成できるよう支援するパートナーシップであることを強調しました。

    大使はTICADが真の国際的プロセスになった事実を歓迎する一方で、その発展の結果として、利用可能な財政支援がより多くの主体(NGO、開発機関、国際組織など)に拡散するようになった点を指摘しました。そのため、一部の地域では財政支援の効果が薄れていると語っています。

    また、大使はアフリカ大陸におけるアジア諸国の役割が増大していることに触れ、TICADのプロセスを、中国アフリカ・フォーラムやインド・アフリカ・フォーラムなどの近年新たに生まれた他のアジア・アフリカ間パートナーシップ・フォーラムと対比させました。そして中国およびインドとのパートナーシップの重要性が増したことが、TICADのプロセスの移行を進める一因となってきたと説明しました。2008年に横浜で開催された第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)以降、アフリカでは経済成長および民間部門の重要性が高まるとともに、アフリカ連合によって定義された優先課題に連帯する動きがますます強まっています。

    講演の後、大使と参加者との間で活発な質疑応答が交わされました。日本からの投資の効果について尋ねられたコンババッハ大使は、日本の貢献によって教育部門で好ましい変化があらわれ、指導方法の改善を通して数学と理科に対する関心が高まっていると答えました。さらに、日本による医療機器の支給と医療関係者の育成についても紹介し、多くの国々の公衆衛生に好影響を与えていると述べました。

    大使は最後にTICAD Vに対する楽観論を表明し、アフリカのすべての関係者から日本が非常に大きな尊敬を集めていることを強調しました。

    コンババッハ大使の講演は国連大学の大使講演シリーズの一環として開催されたもので、このシリーズは国連大学の学生、研究員、インターンに、政治、経済、社会問題について政府当局者から直接話を聞く機会を提供することを趣旨とするフォーラムです。