Y7サミット2023コミュニケを国連大学で発表

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  • 2023年4月25日     東京

    4月13日、G7諸国から約60名のユースが東京の国連大学本部に集まり、国連大学学長やアメリカ、イタリア、カナダ、ドイツ、フランス、EUの大使館関係者に対し、政策提言を発表しました。

    参加したのは、ユース視点からG7各国首脳に助言することを託されているY7サミットの代表団員でした。本年のY7サミットの代表団は、経済の回復力、デジタル・イノベーションとトランスフォーメーション、気候変動と環境、グローバル・ヘルスと幸福、そして平和と安全保障という5つのテーマについて議論し、政策提言をコミュニケにまとめて国連大学で発表しました。

    コミュニケは、東京と広島で対面にて開催されたサミットで合意、採択されましたが、オンラインでの事前交渉は数ヶ月前に始まっていました。ブリュージュにあるUNU-CRISのジャマル・シャヒン博士(デジタル・イノベーションとトランスフォーメーション)、マーストリヒトにあるUNU-MERITの岡本早苗博士(グローバル・ヘルスと幸福)、UNU-CPRジュネーブ事務所長のアダム・デイ博士(平和と安全保障)など、複数の国連大学研究所から研究者が議論に参加し、知見を提供しました。

    「デジタル・イノベーションとトランスフォーメーション」チームのY7議長らと議論するUNU-CRISのジャマル・シャヒン博士。 「デジタル・イノベーションとトランスフォーメーション」チームのY7議長らと議論するUNU-CRISのジャマル・シャヒン博士。

    さらに、Y7サミット主催者はサミット開催前に複数のアウトリーチ・イベントを共催し、世界中のユースからなるべく多くの意見やアイデアを募りました。その一つが3月25日に国連大学とG7/G20 Youth Japanが共催した高校生G7サミットです。日本中から170名以上もの高校生が東京の国連大学本部に集まり、政策提言をまとめました。高校生たちによる政策提言は後にY7サミットに提出され、同サミットで検討されました。

    国連大学本部で開催されたY7サミット2023コミュニケの発表では、代表団員が政策提言について発表し、チリツィ・マルワラ国連大学学長兼国連事務次長や、UNU-IASの竹本明生プログラム・ヘッド、そしてG7大使館関係者などがフィードバックを行いました。

    グローバル・ヘルスと幸福に関する政策提言を発表する日本のY7サミット代表団員。 グローバル・ヘルスと幸福に関する政策提言を発表する日本のY7サミット代表団員。

    マルワラ学長はY7代表団への挨拶で、「ユースは意思決定に参加しなければなりません。決定の影響を長く受けるのは彼らなのですから」と主張しました。学長は大使館関係者に対し、コミュニケの内容を本国へ伝え、首脳に政策提言を検討してもらうよう訴えました。「ユース参加の重要性に鑑み、形だけの参加(トークニズム)に終わらせてはなりません」とマルワラ学長は強調しました。

    閉会挨拶を行うチリツィ・マルワラ国連大学学長 チリツィ・マルワラ国連大学学長。「国連大学はユースの力を信じています。」

    Y7サミット代表団員は帰国後、それぞれの国の政府やステークホルダーに対し、コミュニケの内容を広報します。Y7サミット2023の大倉由莉共同代表が閉会挨拶で述べたように、「コミュニケの発出が最終目標ではありません。最終目標は、コミュニケで提言された政策を実施することです。」

    交渉に取り組んだY7代表団員の熱意と、彼らのコミュニケが訴える力強いメッセージは、未来が多くの可能性を秘めていることを物語っています。その可能性を現実に変えるにはG7各国首脳、そして全世界が、ユースの意見に耳を傾け、真剣に考えていかなければなりません。

    Y7サミット2023のコミュニケはこちらからダウンロードできます。