環境悪化が災害リスクを高める─「世界リスク報告2012」の警告

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  • 2012年10月17日     Brussels

    環境悪化は、世界中の多くの国で災害リスクに対処するための社会の適応能力を低下させる大きな要因です。過去10年間(2002~2011年)の記録は恐るべきもので、災害件数は4,130件、死者数は100万人以上、経済的損失は少なくとも1兆1,900億米ドルに上ります。

    これは、国連大学環境・人間安全保障研究所(UNU-EHS)、ドイツ開発作業アライアンス(ADW)、およびザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)が今週ブリュッセルで発表した世界リスク報告2012の警告です。ADWは同報告書の発行者です。

    同報告書の柱は、UNU-EHSがADWと協力して開発した世界リスク指標(WorldRiskIndex)です。この指標は世界173カ国について自然災害の被害を受けるリスクを数値化したものです。現時点で入手可能なデータによると、災害リスクが最も高いのは太平洋の島国バヌアツで、最も低いのはマルタとカタールです。さらに2012年の報告書では、環境悪化と災害の関係という側面が強調されています。

    この指標により計算されるリスクは、コミュニティーが干ばつや暴風や地震などの自然災害に見舞われる程度、およびこうした災害に対するその脆弱性の程度によって決まります。脆弱性の程度は、公共インフラ、医療サービス、一般的な栄養状況、ガバナンス、教育水準、経済的損失を補う保険の可用性、および環境条件といった社会的要因によって決まります。

    「世界リスク指標によって、オセアニア、東南アジア、南部サヘル、そしてとくに中米とカリブ海地域に災害リスクの世界的ホットスポットが存在することが明らかとなりました。これらの地域には、自然災害や気候変動の甚大な脅威と、非常に脆弱なコミュニティーという2つの要因が共存しています」と、UNU-EHSのヤコブ・リーナー所長は述べています。

    「今回の世界リスク報告は、地球規模の環境破壊が人類にとってもますます直接的な脅威となりつつある様子を鮮明に示しています。斜面の森林が切り開かれた場所、バリアリーフ、マングローブ、湿地が退化または完全に消失した場所では、自然ははるかに強い力をもって居住地域を襲うのです」と、ADWディレクター、ペーター・ミュッケ氏は言います。

    「環境悪化と災害リスクの相互関係に対して、各国政府はこれまで十分な注意を払ってきませんでした」とミュッケ氏は訴えます。

    詳細については、UNU-EHSウェブサイトのWorldRiskReport 2012: Environmental degradation increases disaster risk worldwide(世界リスク報告2012:環境悪化が世界の災害リスクを高める)をご覧ください。