平和、ディーセント・ワーク、平等拡大に関する最新報告書

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  • 2023年9月7日     ヘルシンキ

    国連大学世界開発経済研究所(UNU-WIDER)は2019-2023年の活動プログラムにおいて、より平和で効果的な政府や、より公正で持続可能な社会に貢献する行動を支援するために、強力なエビデンスの基盤を構築しました。このたび、経済、国家、社会の変革に関するUNU-WIDERの活動プログラムから得られた主要な知見をまとめた統合報告書を発表しました。

    本報告書は活動プログラム期間中に最も顕著な進展がみられた研究のいくつかを抜粋し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の進捗を回復させ、かつ加速させるための政策を実行する機会を提供するものとなっています。

    報告書『平和、ディーセント・ワーク、さらなる平等に向けて: 経済、国家、社会を変革するための研究エビデンス』では、UNU-WIDERの30にのぼる研究プロジェクトから得られた主要な知見と重要メッセージを記録し、関連する全人類共有の3つの普遍的願望(平和・平等・ディーセント・ワーク)ごとに整理しています。目指すべきこれらの重要な成果―平和、さらなる平等、そしてディーセント・ワーク―は現世代が達成できるものであり、SDGsの進展を加速する上で不可欠なものです。

    「持続可能な開発のための2030アジェンダが中間点を迎えるにあたり、本報告書は行動のための明確な機会を提供するものです。私たちの調査結果は、グローバル・サウスの政府や国際社会がSDGsに向けた進捗を回復させ、加速させるための足がかりとなるでしょう。こうしたことから私たちは今後数カ月の間に国連機関に対して働きかけを進め、政策プロセスに携わる人々の役に立つことを期待しています」 とクナール・センUNU-WIDER所長は述べます。

    30の異なる研究プロジェクトからの重要なメッセージや、UNU-WIDERの最新研究だけでなく数百に及ぶこれまでの刊行物から抜粋したエビデンスをまとめた本報告書は、読者の皆さんに以下の幅広い重要なトピックに関する最新の洞察を提供するものとなっています: 紛争の影響を受けた状況下における平和構築、増大する援助の有効性と民主主義の強靭性の向上、社会契約の強化、社会保護政策の推進、財政の拡大、不平等への取り組み、非正規雇用の課題と万人のためのディーセント・ワークの阻害要因への取り組み。

    これらの研究成果のいくつかは、世界の主要地域のグローバル・サウス諸国を対象とした国家レベルの研究に関連するものであり、十分な研究がなされていない重要な課題と私たちの知識との間にある大きなギャップを縮めるという意味で注目すべき研究となっています。本報告書では、開発研究における重要な進展を厳選してお届けします。

    5カ年に及ぶ現在の活動プログラムの最終年に発行される運びとなった本報告書は、2019年以降に発表された760件の研究を統合し、85カ国以上から集まった1800人以上の研究者の活動を代表する内容となっています。本報告書のターゲット層は、特に政策プロセスに携わる人々です。その主要なメッセージと調査結果の中核について、アフリカ、ラテンアメリカ、アジア、北米で開催される会議で専門家たちが議論および討論する予定です。これらの議論は、国際連合経済社会局(DESA)、国際連合ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)、国際連合アフリカ経済委員会(ECA)、国際連合アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)など、グローバルな目標の推進に不可欠な活動を行う国連の主要機関とともに行われます。

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    報告書はこちらからダウンロードできます。