国連大学の研究が世界農業遺産(GIAHS)に貢献

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  • 2016年3月18日     Rome

    2016年2月22–23日、国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産(GIAHS)の科学アドバイザリーグループの第1回会合がローマのFAO本部で開催されました。

    国連大学の研究のアジア、とくに日本と韓国におけるGIAHSの発展への貢献に基づき、国連大学の武内和彦上級副学長が、GIAHS認定プロセスに科学的なガイダンスを提供することを目的とする7名のアドバイザリーグループのメンバーの1人に任命されました。その会合では、現在15カ国に36サイトあるGIAHSの認定のためのガイドラインの議論も行われました。

    FAO事務局のマリア・ヘレナ・セメド次長はその開会挨拶の中で、「我々に今必要なのは国々やコミュニティーの間の知識の交換を促進するためにベストプラクティスを共有することであり、これがGIAHS科学アドバイザリーグループのメンバーに我々が期待する貢献だ」と述べて、アドバイザリーグループのメンバーに期待される指導的役割を強調しました。

    2012年から2015年まで国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)のプロジェクト「日本における独創的な農文化システムの総合的な評価手法の開発」は、東アジアの独創的な伝統的農業システムを評価し、政策決定者のための勧告を策定し、そして関係者にGIAHS申請のための技術的なアドバイスを提供しました。UNU-IASのGIAHSチームは、日本のほとんどのGIAHS候補地のGIAHS申請を支援し、韓国の最初の2つのGIAHS認定に技術的なアドバイスを提供してきました。このプロジェクトはまた農業遺産システムの研究に関する国際的な協力を推進し、アジアにおけるGIAHSネットワークを構築しました。

    UNU-IASは「農業多様性と持続可能性」プロジェクトを通じて、GIAHSに関するさらなる研究を進めています。詳細は、UNU-IASのウェブサイトをご覧ください。