マローン学長、上智大学国連Weeksオンラインイベントに登壇

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  • 2020年11月3日

    デイビッド・マローン国連大学学長は10月24日、上智大学が主催した故緒方貞子氏の功績を振り返るオンラインシンポジウム「多国間主義と人間の尊厳を求めて」のパネルディスカッションに参加しました。

    同シンポジウムには、緒方氏のかつての部下であった国連難民高等弁務官のフィリッポ・グランディ氏、国連事務総長特別代表 兼 国連アフガニスタン支援ミッション代表を務めた山本忠通氏および前国連日本政府代表部大使の星野俊也氏もパネリストとして参加しました。

    新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により世界全体が不安定化する中、開発途上国や難民など、より弱い立ち場にある人々への支援が特に必要とされています。国連では、アントニオ・グテーレス事務総長が2020年3月にグローバル停戦を呼びかけ、7月には国連安全保障理事会が世界各地の紛争当事者に対して90日間の停戦を求める決議案を全会一致で採択しましたが、紛争や衝突はその後も続いています。

    これに対しマローン学長は、世界が危機的状況である時こそ、それに乗じて紛争が起こりやすい場合もあると指摘し、「それでも、停戦の呼びかけを行うこと自体が大切で、難民を含むCOVID-19のパンデミック(世界的流行)で影響を受けた人々を最優先するという各国の姿勢を前面に出す意味が込められています」と述べました。

    シンポジウムでは、各パネリストによって緒方氏の人物像や功績についても多く語られました。

    カナダ出身のマローン学長が緒方氏と出会ったのは、自身がカナダ政府高官のアシスタントをしていた1980年代。当時は、緒方氏の夫である故緒方四十郎氏が日本銀行の理事を務め、その後日本開発銀行(現日本政策投資銀行)の副総裁を歴任するなど、国際舞台で活躍していました。マローン学長の上司は、仕事で緒方夫妻と会う機会が多くプライベートでも食事をする仲で、若かりし頃の自分も同席させてもらい国際経済関係について学ぶ貴重な場に居合わせたと、当時を振り返りました。

    緒方氏は、上智大学や国際基督教大学などで教鞭をとる一方、1991年から10年間国連難民高等弁務官を務め、2003年から2012年までは国際協力機構(JICA)の理事長に就任。人道支援に尽くした緒方氏は「現場主義」として知られ、また、「人間の安全保障」という概念を提唱しました。

    マローン学長は緒方氏について次のように述べました。「どの場においても非常に勇敢な方であり、常に自分の目的、または与えられた目的を果たすために一生懸命でした。組織のルールなどにとらわれることなく、ただ世の中を変えたいという一心でした。そして、彼女は確かに世界を大きく変えました」

    本イベントは、上智大学国連Weeksの企画の1つとして実施されました。