2024年11月8日 ケムニッツ
受賞スピーチを行うチリツィ・マルワラ学長。Photo: UNU-FLORES
11月1日、国連大学学長兼国連事務次長のチリツィ・マルワラ教授が、ハンス・カール・フォン・カルロヴィッツ持続可能性賞を受賞しました。人工知能(AI)と持続可能性を結びつけるマルワラ学長の研究の功績が認められ、今回の受賞に至りました。
授賞式は、「健全な地球は、すべての人の健康のための前提条件」をテーマとした持続可能性会議の一環として開催されました。
マルワラ教授は受賞スピーチにおいて、持続可能な開発を進める上でAIが果たす役割が極めて重要であることを強調しました。「AIは、複雑な地球規模の問題に取り組むための比類ない機会を提供してくれます。倫理的に適用されれば、持続可能な解決策を推進し、意思決定を改善し、世界中の地域社会に力を与えることができます」
学長は、さまざまな領域におけるAIの実用的な影響を強調し、次のように述べました。「私のAIへの関心を常に駆り立ててきたのは、現実世界での差し迫ったグローバル課題への適用可能性です。水資源変数のモデリングやHIVに関する予測と分析へのAIの活用から、AIマッピングを用いた武力紛争の解決策の提案に至るまで、学者および研究者としてのキャリアを通じて、 AIがさまざまな分野で変革的な役割を果たし得ることを目の当たりにしてきました。私はまた、AIがいかに人間の能力開発を強化し、経済理論の発展に貢献できるかも探求してきました」
マルワラ学長は、イタリアのボローニャに人工知能に特化した国連大学研究所を新設する予定についても触れました。「国連大学の緒研究所は、学際的かつ総合的なアプローチを重視し、SDGsの全ての目標に取り組んでいます」
国連大学から、エーデルトラウト・ギュンター教授率いる物質フラックス・資源統合管理研究所(UNU-FLORES)のチームがケムニッツを訪れ、授賞式に立ち会いました。UNU-FLORESの博士研究員であるカモル・ゴメス氏は、「今回の受賞は、AIと持続可能性に関する学長の研究への評価であると同時に、さまざまなアプローチを通じてSDGsの進展を推進するよう、国連大学コミュニティのモチベーションを向上させるでしょう」と語りました。
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本記事の原文(英語)はUNU-FLORESのウェブサイトからご覧ください。