国連大学学長、日本人記者向けの記者会見を開催

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  • 2013年4月22日     東京

    4月18日(木)、デイビッド・マローン国連大学新学長は、東京の日本記者クラブで日本人記者と会見しました。

    マローン学長は通訳を介し、日本の主要紙の記者をはじめとした20名を超える聴衆に向け、「国連大学についての概要と、国連大学が東京に設立されたことが国連大学にとってだけでなく、なぜ日本のためにも有益であるかについて」説明しました。

    国連大学本部はおよそ40年にわたり東京を拠点にしてきたものの、日本の一般の人々の間での「知名度はまだ低い」ことを認識していると述べました。これは一部には、これまで国連大学が、日本語のメディアよりも英語のメディアを優先させる傾向にあったことによるものだとし、今後は変えていく考えを示しました。

    マローン学長は、国連大学の歴史(国連大学が創設された理由と国連大学本部の設置場所に日本が選ばれた理由)を簡潔に述べた後、グローバルな国連大学のシステム、その活動の中心、国連大学のガバナンス構造について説明。また、2010年に開始された国連大学の大学院教育プログラムについても話しました。

    デイビッド・マローン学長のプレゼンテーションをご覧になる場合には、下記のビデオリンクをクリックしてください。

     

    マローン学長は、「日本は国連大学の受入国として惜しみない支援をしてくださっており、大学基金の設立に資金を拠出していただきました。その基金は、」他の国々によるさらなる支援を通じて、「1975年以来大幅に拡大しました。」また、「とくに持続可能な開発に関する分野において、数多くの研究活動やさまざまな研究プロジェクトに支援をしていただきました。」と述べました。日本の支援による国連大学のプロジェクトは、アフリカとアジア全体のなかで、トップクラスの研究コミュニティおよび研究機関に成長しました。

    また、多数の国際的な組織や国(EUの国々およびスウェーデンを含む)からも、国連大学の研究プログラムに対し、多くの支援があり、近年、国連大学の資金調達は国際的に著しい成果を収めていると強調しました。つまり、日本は国連大学の支援において、国際的な主要国の一つなのです。

    発言の最後に、マローン学長はこの職務に任命された際に、国連大学はその活動を「研究と政策開発の面で、国連のニーズとより密接に」関連付けていく努力をしなければならないという「強いメッセージを潘基文(パン・ギムン)国連事務総長とユネスコ事務局長から送られた」ことを明かしました。「私たちは、この使命に今後5年間、精一杯取り組んで行きます」

    「知識自体を目的として追求できる学究的な大学」とは異なり、「シンクタンクは一般に、その研究がいかに社会に役立つか、国連大学の場合は、いかに国際社会に役立つかに重点が置かれます。」今後国連大学は、「政策に役立つ研究にのみ取り組みます。国内外の、また国連加盟国の政策開発に役立たない場合には、その研究を行うべきではありません。」とマローン学長は述べました。

    中東や開発途上国の新しい研究所に関する計画、単なる「経済開発」に対する「人間開発」の概念、国連大学の環境分野での教育プログラムなどのテーマに及ぶ質疑応答の後、マローン学長は記者の皆様と懇談しました。