2020年9月1日
国連大学は1975年9月1日に、30名に満たないスタッフと年間予算わずか300万米ドルで、東京において活動を開始しました。
そして、今では10カ国以上にある研究所で約670名の研究者およびスタッフが働き、年間予算も約5500万米ドルにまで増加し、グローバルな組織へと成長しました。
国連大学の使命は今も変わっていません。それは、人類の生存、開発、福祉など国連とその加盟国が関心を寄せる緊急性の高い地球規模課題の解決に取り組むため、共同研究や教育を通じて寄与することです。
そのために、解決策を見出すための研究ネットワークとしての役割に加え、国連のシンクタンクおよび学術機関という3つの役割を果たし、国際的な学術機関や国連諸機関と連携しながら活動しています。
国連大学の構想は、1969年、当時のウ・タント国連事務総長が年次総会で、「真に国際的な性格を有し、国連憲章が定める平和と進歩のための諸目的に合致した国際連合大学」の設立を提案したことで始まりました。その後、大学の実現可能性について専門家による綿密な調査を経て、1972年12月の国連総会にて国連大学の創立が承認され、1973年に国連大学憲章が正式に採択されました。
日本政府の厚意より、東京の本部施設および国連大学基金設立に向けて寄付金1億米ドルが提供され、その後2年以内に活動を開始できました。今日その基金は4億米ドルにまで発展し、運用益は国連大学の能力開発にも寄与しています。
国連大学理事会のアンゲラ・ケイン議長は次のように述べています。
「国連大学は、政策立案者と学術界との架け橋になり、グローバル・ノースとグローバル・サウスの研究者たちをつなぎ、最も差し迫った地球規模の課題に対し、堅実で独立した政策提言を講じるために尽力しています。これまで以上に重要な役割を果たしている国連大学およびデイビッド・マローン学長に、理事会を代表して祝福の意を表します」