国連大学のSCYCLEプログラム、UNITARに移行へ

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  • 2019年10月16日     Bonn

    国連大学(UNU)と国連訓練調査研究所(UNITAR:ユニタール)は、国連大学の傘下にあるサステイナブル・サイクル(SCYCLE)プログラムのUNITARへの移行に合意する覚書に署名しました。

    SCYCLEプログラムは2016年から、ドイツのボンにある国連大学副学長欧州事務所の下で進められてきました。SCYCLEは、電気電子機器などの生産、利用および廃棄に関する環境被害を減らすことに役立つ、包括的で実用的な研究を実施・発表しています。

    国連大学学長を務めるデイビッド・マローン国連事務次長は、「これまで3年間にわたり、SCYCLEを主催できたことを嬉しく思うとともに、この重要な活動がUNITARとともに継続されることを大いに楽しみにしています」と述べました。「SCYCLEはデータ収集や研修、技術支援に重点を置いていることから、能力開発に重点的に取り組むUNITARが今後、このプログラムの取り扱いに最適な機関になると確信しています」

    UNITAR事務局長を務めるニキル・セス国連事務次長補は次のように述べました。「今回の移行を大いに喜んでいます。このプロセスはよき先例となるものであり、デイビッド・マローン学長とボンの国連大学チーム全員に感謝したいと思います。SCYCLEが、UNITARの Division for Planetの傘下に入ることにより、UNITARは持続可能な開発目標と密接に関連する世界水準のリサーチ力を得ることになります」

    覚書によると、2019年9月30日より、SCYCLEプログラムのUNITARへの段階的移行を開始し、2021年12月31日までに完了する予定です。国連大学はこの移行期間中、署名した協定や契約に基づき発足したプロジェクトの運営を続ける一方、UNITARは、2019年10月1日以降に署名した協定や契約に基づき発足するすべての新規プロジェクトを運営します。

    移行期間中、UNITARと国連大学は公文書で、SCYCLEプログラムを「国連大学からUNITARに段階的に移行中の共同事業」として取り扱う予定です。2021年12月31日以降、SCYCLEプログラムは対外的に、UNITARに完全に統合されたプログラムとして提示されることになります。

     

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    国連大学について

    国連大学は40年以上にわたり、独立したシンクタンクとして、人類の生存、開発、福祉など緊急性の高い地球規模課題の解決に取り組んでいます。12ヶ国にまたがる14の研究所では、400人以上の研究者が在籍し、持続可能な開発目標(SDGs)のすべての範囲に関する研究を進めながら、より良い地球環境の変化をもたらすために政策関連の知見を生み出しています。また、国連大学は、世界中で200以上の国連機関、大学および研究所と連携しています。

    UNITARについて

    国連訓練調査研究所(UNITAR)は、国連の研修専門機関として、世界の各地域で活動しています。UNITARは、地球規模の課題克服に向けた質の高いセミナーやワークショップ、能力開発の研究を通じ、個人、政府および組織を支援しています。UNITARの目的、プログラム策定および活動は、UNITAR規程、持続可能な開発のための2030アジェンダ、その他2015年の国際協定を指針としつつ、2030アジェンダの平和、人間、地球、繁栄という4本柱のほか、2030アジェンダの実施加速、多国間外交、エビデンス・ベースの政策決定に向けたテクノロジー活用の最適化に関する分野横断的なプログラムの柱にも呼応する構造となっています。UNITARは2018年、683回に上る研修・学習イベントを開催し、主に開発途上国から約8万5,000人が参加しました。

    SCYCLEプログラムについて

    SCYCLEプログラム2016年1月よりドイツのボンを拠点とする国連大学副学長欧州事務所(UNU-ViE)が主催してきました。持続可能な社会の促進を使命とし、持続可能な生産と消費、また電気電子機器(EEE)ならびにユビキタス製品の廃棄様式の開発に関する活動に注力しています。SCYCLEプログラムは、グローバルなe-waste(電子ごみ)の議論を牽引し、ライフサイクル思考に基づく持続可能なe-wasteの管理戦略を推進しています。