アフリカで野生動植物の違法取引監視システムが発足

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  • 2011年7月18日     横浜市

    野生動植物の違法取引に対する協力執行活動に関するケニアのルサカ協定タスクフォース(LATF)、日本の国連大学高等研究所(UNU-IAS)、オランダのトゥウェンテ大学地理情報科学および地球観測学部(ITC)は、三者パートナーシップ協定により、アフリカで野生動植物の違法取引監視システム(WEMS)を発足させました。

    WEMSは国連大学によって開発されたものであり、野生生物の違法取引の立証にかかわる問題を解決し、野生生物の越境違法取引に関する傾向を明確に示すため、政策立案者、司法当局、IT技術者、市民社会団体が7年間にわたって行った、学際的な実地調査の集大成です。アフリカにおけるWEMSの主な目標は、国や地域レベルでの野生生物の違法取引監視に関して、情報・報告プロセスならびに分析能力を強化することです。

    LATFのディレクターであるボナベントゥル・エバイ氏は、「アフリカの野生生物犯罪に立ち向かうためには、情報の共有がカギになります。アフリカで効果的にWEMSを実施することにより、グローバルなレベルでの情報の共有や分析に良い影響を与えるとともに、我々のパートナーがこうした課題について理解を深め、また野生生物保護のための我々の取り組みの効率化にもつながります」と強調しました。また、「今回のWEMSの発足は、アフリカの様々な国家機関から得られた違法取引関連のデータを蓄積することにより、この地域に野生生物犯罪の情報センターを作るという最終目標の達成に向け重要な節目となります」と続けました。

    研究開発活動の目的は、野生生物にかかわる犯罪情報の管理において、グッド・ガバナンスと情報通信技術を利用した取り組みを体系的にアフリカに導入することです。UNU-IASは「持続可能な社会のための科学技術」プログラムを通じて、ミレニアム開発目標(MDGs)達成のため、なかでも環境のサステイナビリティに関する目標7と、アフリカが最新技術の恩恵を得ることを目指す目標8(ターゲット8F)に焦点を置き、民間部門と協力して、クラウド・コンピューティングとモバイル技術を活用することにより、情報通信技術の持続的利用に力を注いでいます。

    「LATFやオランダITCと協力のもと、WEMSを基盤としてアフリカで実施されるこの重要な研究・能力開発プロジェクトにパートナーとして参加できることは、UNU-IASにとって非常に喜ばしいことです」と、UNU副学長であり、UNU-IAS所長でもあるゴヴィンダン・パライル教授は述べました。「今回のプロジェクトは、アフリカにおける我々のパートナーやその他の利害関係者とのかかわりをさらに深めるためにUNUが実施している取り組みのうちの1つです。」

    詳細はUNU-IASのウェブサイトをご覧ください。