第66回国連大学理事会が終了

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  • 2016年12月29日

    国連大学の統治機関である国連大学理事会の第66回会合が、2016年12月13、14日に東京の国連大学本部で開催されました。現在任命されている理事(任期2016年5月~)にとっては2度目の理事会となりました。

    今回の理事会は、新理事が国連大学の研究所長と研修センター長に会う初の機会となりました。1日目午前に行われた理事と研究所長・研修センター長の共同会合では、研究所長・研修センター長による各々の活動概要の紹介と、組織間の共同作業についての議論が行われました。理事からは研究所長・研修センター長に対し、各施設の活動内容と影響力を強化する方法についてのフィードバックと提案が行われました。

    理事会の議題にあがったのは、学長による「大学の現況」の報告、大学の財務状況、2年間の予算、さまざまな戦略上、管理上、運営上の問題(現在進められている「国連大学戦略プラン2015–2019年」を含む)などです。

    とくに高い関心が示されたのが、国連大学内のジェンダー平等とメインストリーミングの問題です。国連大学によるこの問題への取り組み、およびジェンダー・メインストリーミング、ジェンダー平等に向けたアクションプラン、アカウンタビリティの枠組みについての国連大学の新たなポリシーの発表は、理事会メンバーから高い評価を得ました。

    理事会において強調されたのは、グテーレス次期国連事務総長がジェンダー平等を重視し、国連の上級管理グループのメンバー任命でのジェンダー平等を約束した点です。さらに、国連大学は理事会レベルでは既にジェンダー平等を実現している点が指摘され、組織全体のすべてのレベルにおけるジェンダー平等実現に向けさらなる努力が促されました。

    また移住の問題にも関心が示され、国連大学が国連グローバル移住問題グループ(GMG)の議長を務める(2017年1月~)ことが歓迎されました。理事会メンバーは、国連大学の各研究所が移住に関するさまざまな専門知識を提供する重要性と、この問題のために大学全体で力を合わせることの価値と重要性を強調しました。

    12月13日(火)夜、理事会メンバーと研究所長・研修センター長は、ホテル・ニューオータニで行われた外務省主催のレセプションに出席しました。国連大学の理事会メンバーと研究所長・研修センター長は、外務省の寛大なもてなしと日本政府による国連大学への継続的な支援に対し謝意を述べました。

    理事に任命されている以下12名のメンバー全員が第66回国連大学理事会に出席しました。(理事会メンバーは以下の通り。アーネスト・アリエッティ教授(ガーナ)、カルロス・エンリケ・ジェ・ブリト・クルス教授(ブラジル)、サイモン・チェスターマン教授(オーストラリア)、エリザベス・カズンス大使(米国)、イザベル・ゲレロ・プルガル氏(チリ)、アンゲラ・ケイン博士(ドイツ)、セジェネ・ケレム博士(エチオピア)、バスマ・コドマニ博士(シリア)、ラダ・クマール博士(インド)、イレナ・リポビッチ 教授(ポーランド)、西田恒夫教授(日本)、ラン・シュエ教授(中国))

    その他の理事会メンバーは、国連大学学長(デイビッド・マローン博士)および3名の職権上の理事である国連事務総長(政策調整・関連機関間問題担当事務次長補トーマス・ガス氏が代理出席)、ユネスコ事務局長(欠席)、国連訓練調査研究所(UNITAR)事務局長(UNITAR 広島事務所長の隈元美穂子氏が代理出席)です。