国連大学理事会が2011年の年次総会を開催

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  • 2011年12月21日     Bruges

    国連大学理事会は11月28日から12月1日まで、ベルギーのブリュージュにおいて第58回年次総会を開催しました。

    国連大学の活動と運営の指針となる原則ならびに方針を決定する理事会は、任命された24名の理事と、国連大学学長、および3名の職務上の理事(国連事務総長、ユネスコ事務局長、UNITAR本部長)によって構成されています。

    3日半にわたる総会の第1日目、理事会は学長による「大学の現状」に関する年次報告、大学の財務状況の概要、および2012~2013年の国連大学のアカデミック・プログラムと予算計画の発表を受け、討議しました。また、「ツイン研究所」構想の実現に関する動向、進行中および新規のイニシアチブ、国連大学の大学院プログラムをはじめとした、幅広い戦略事項も検討しました。

    国連大学アフリカ・ロードマップ・イニシアチブの共同リーダーである、欧州副学長兼UNU-EHS所長とUNU-INRA所長は、「国連大学のフォーカス・アフリカのロードマップ」の実現について、進行状況の報告を行いました。またUNU-WIDER、UNU-CRIS、UNU-EHSの各所長は、これらの研究所の評価報告書の推奨事項の実施状況について報告しました。スペインのバルセロナでの国連大学国際文明の同盟研究所(UNU-IIAOC)、ドイツのドレスデンおよびモザンビークのマプトでの国連大学物質フラックス・資源統合管理研究所(UNU-FLORES)の設置に関する最近の動向については、UNU-CRISおよび国連水の10年・能力育成プログラム(UNW-DPC)の所長が報告を行いました。

    夜のレセプションは、10周年を迎えるUNU-CRISの建物で開催され、理事会のメンバーがUNU-CRIS のスタッフと交流する機会となりました。

    総会の2日目は委員会会合にあてられ、国連大学の研究所およびプログラムの運営と活動、2012~2013年の予算計画をはじめとした全般的な財務および管理上の課題に重点を置いて、討議が行われました。

    3日目は前日の会合の成果を話し合うために、2つのアカデミック・プログラム委員会のメンバーによる合同会合の形式をとり、大学院プログラムとツイン研究所構想の実現に焦点を置いて討議が進められました。午後、理事会は全体会議を再開し、アカデミック委員会からの報告が発表されました。

    3日目の夜、ベルギーのフランダース政府とウェスト=フランデレン州主催のレセプションがプロビンシャルホフで開かれ、理事会のメンバーが出席しました。席上、フランダース政府は2012年から研究所の運営にあてる財源を増やすことを発表し、UNU-CRIS に対する政府の支援体制を再確認しました。

    最終日、理事会は財務および管理に関する委員会からの報告を受けて討議した後、一連の決議草案の承認など、さまざまな業務を行いました。また、理事会は2012年の理事会議長に、モハメド・ハッサン教授を選出しました。

    最終日の午前中には、国連事務総長代理が潘基文(パン・ギムン)事務総長の第2期の最優先課題を発表し、2015年以降のミレニアム開発目標に重点が置かれました。また、クリストヴァム・ブアルキ上院議員は、ブラジル政府がリオデジャネイロにUNU-IASのツイン研究所を設置する意向であると発表しました。ブアルキ上院議員によれば、ブラジルの科学技術省は提案されたツイン研究所の設立について討議を続けることに関心を示しており、10年間で3000万米ドルの財政支援の可能性を示唆しています。ツイン研究所は、リオ+20プロセスの目に見える成果としてとらえられています。理事会はこのニュースを歓迎し、ブラジル当局への感謝の意を表明しました。

    午後には、UNU-CRISスタッフがセミナーを開催して研究所の仕事と活動を紹介し、その後ブルージュの古い街並みを案内しました。

    理事会の第58回年次総会はまた、国連事務総長がユネスコ事務局長と協議を行い、その同意を得て国連大学学長を任命するという、国連大学憲章に定められた学長任命の手続きを理事会メンバーが進める場でもありました。この手続きは、現職学長が2期目の候補者となっている場合(2011年はこの場合に該当します)も含め、5年ごとに実施されます。

    理事会は、2010年の国連大学理事会第57回年次総会で設立された指名委員会によって提案された、学長候補者名簿を審議し、候補者の名簿を承認して任命機関に送付することを決定して委員会を閉会しました。これで、2012年9月から2017年8月までの任期を務める学長を任命する最終決定は、国連事務総長とユネスコ事務局長の手に委ねられたことになります。

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    11月30日にブルージュの地元テレビFocus-WTVは、UNU-CRIS と国連大学理事会第58回年次総会に焦点を合わせた96秒のニュースを放送しました。 放送を見る(オランダ語) をクリックすると、UNU-CRIS の所長ルーク・ファン・ランゲンホーヴェ氏と国連大学理事会議長フアン・ラモン・デ・ラ・フエンテ氏のインタビューを見ることができます。