国連大学、日本の2つの研究所の統合を検討中と発表

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  • 2013年6月12日     横浜・東京

    国連大学は、今後1年間で日本の2つの研究所・研修センター、すなわち横浜の国連大学高等研究所(UNU-IAS)と東京の国連大学サステイナビリティと平和研究所(UNU-ISP)の統合に向け手続きを進める予定です。

    これら2つの研究所の統合は、2013年4月に国連大学の最高意思決定機関である国連大学理事会第59回会合で承認され、2014年6月末までに統合完了を予定しています。これにより誕生する新たな研究所は、国連大学本部(渋谷区)に拠点を置くことになります。

    2つの研究所の人的資源・財源を結集しそれぞれの強みを活かすことで、新たな組織には統合による相乗効果が期待されます。国連大学の日本を拠点とするこれら2つの研究所の間では、これまでも常にある程度の協力は行われてきましたが、地理的にまた運営や法律上において別個の組織であることが、円滑な連携の妨げとなっていました。

    今回の統合の公式発表に先立って、デイビッド・M・マローン国連大学学長は先週2つの研究所のスタッフと会合を持ち、統合のプロセスと理由について次のように述べています。

    「今回の統合により、運営が効率化し、 UNU-IASとUNU-ISP の研究者また教職員にとってより充実した統合的環境での連携が可能になります。同時に教育プログラムの充実にもつながるでしょう。」

    また2014年半ばまでには、サステイナビリティ・開発・平和学修士課程(UNU-ISP)と環境ガバナンス生物多様性学修士課程(UNU-IAS)の2つのプログラムの統合も予定されています。

    UNU-IASは、環境にとって持続可能な開発を主なテーマとして、1996年4月に設立されました。また、UNU-ISPは、国連大学の「平和とガバナンス」、「環境と持続可能な開発」および「能力育成」という過去の3つのプログラムの活動とリソースを取り込む形で、2009年1月に設立されました。UNU-ISPの中心的研究分野は、地球変動、開発、平和と人権です。

    統合により、設備維持費そして学術支援制度の両面において相当程度の節約効果が期待されます。また規模の効果により、国連大学で学ぶ大学院生にとって日本における研究機会の幅が広がることになるでしょう。

    より力強く、資金力のある強固な組織のもとで研究、教育、能力育成の諸活動が統合されることにより、活動の信頼性と影響力が高まるとともに、日本や世界各国における国連大学のステークホルダーの期待に一層応えることができるでしょう。