ヤン・エリアソン国連副事務総長、東京の国連大学で、タウンホールミーティングを開催

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  • 2013年3月7日     東京

    ヤン・エリアソン国連副事務総長。Photo: Sean Wood/UNU

    ヤン・エリアソン国連副事務総長。Photo: Sean Wood/UNU

    2013年2月27日(水)、国連大学はヤン・エリアソン国連副事務総長を迎えて、国連大学スタッフ、国連大学大学院生、その他国連機関の職員とのタウンホールミーティングを開催しました。

    エリアソン氏は、アジア3カ国歴訪のうち、韓国、中国を経て、日本が3番目の訪問地であることに触れ、この3カ国は国内および二国間の課題に直面しており、とくに韓国と中国は、開発に関して自国民においてのみならず、国際社会においてもその影響力を次第に強めていることを強調しました。

    国内的な課題と国際的な課題については、いずれか一方として取り扱う誤った二者択一が起こりがちですが、実際には、両者は地政学的な不安定性に影響を与える重なりあった概念です。エリアソン氏は、国際協力および二国間協力の重要性と、このような努力において国連が仲裁者として果たす極めて重要な役割について強調しました。同氏は、「国連システムは世界の現実の鏡像と取られるかもしれませんが、私たちの世界が夢に見る姿の投影とも考えられ、この差を狭めることが国連の目標なのです」と述べました。

    エリアソン氏は自らの人生の教訓を紹介し、最近の経験に触れながら、聴衆を激励、鼓舞し、彼らの重要な活動に感謝の意を示しました。同氏はまたこの機会を利用して、国連が改善し、その有効性を高めることのできるいくつかの分野について強調しました。たとえば、国連機関の多くはその透明性と協力を強化するとともに、問題解決のために、若く、才能ある人々を結集させる必要があります。同氏は、若い世代に「早急に世界を変えようとする」よう強く求めました。また、国連大学などのシンクタンクが、移住、組織犯罪、汚職、危機対策などの社会政治的な分野の研究を強化するよう奨励しました。

    エリアソン氏は、今日の世界が直面し、また今後直面することになる学際的な課題において、若い世代による革新的な解決策の探求という取り組みを強化すると同時に、貧困の削減、開発、法の支配という密接に関連しあった重要な3つの事項に重点を置くことの必要性を示しました。同氏は最後に、「開発なき平和も、平和なき開発も存在しません。また人権の尊重なくして、平和も開発もありません」と改めて確認しました。