ようこそ、国連大学ウェブサイトTICADウィークへ

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  • 2013年5月30日     東京

    TICAD V

    UN Photo/Tim McKulka

    第5回アフリカ開発会議(2013年6月1日~3日)の開催を記念して、今週、国連大学ウェブサイトはアフリカにおける国連大学の活動に焦点を絞ります。

    TICADについて

    始めに、5年に1度開催されるアフリカ開発会議 (TICAD)についてあまりご存じでない方のために、その背景をご説明します。

    第1回TICADは、冷戦終結後に広がったいわゆる「援助疲れ」に対処するために、1993年に日本政府により開催されました。TICAD Iは、開発に関する対話を再び活性化するとともに、アフリカ開発を国際的議題の最優先事項とすることにより、アフリカ大陸に向けた援助の減少傾向に歯止めをかけることを目的としていました。

    ハイレベルな政策対話の機会を提供することによって、TICADはアジア・アフリカ諸国、ならびに関係国際機関がアフリカ開発の推進を目指して協力するための主要な世界的プラットフォームとなりました。

    TICAD Vについて

    6月最初の3日間にわたって横浜で開催される第5回TICADのテーマは、「躍動のアフリカと手を携えて」です。TICAD Vは、日本政府、アフリカ連合委員会、国連アフリカ担当事務総長特別顧問室、国連開発計画、および世界銀行により共同で開催されます。

    アフリカ諸国を始めとする各国の政府や国際機関からの上級派遣団、ならびに非政府組織、市民団体、民間企業の代表者などの参加者が、「横浜宣言2013」(アフリカ開発推進のための原則をまとめたもの)や「横浜行動計画2013」(成長実現のための6つの柱を中心とした行動指向的な取組みのロードマップ)などの議題について話し合います。

    議論は、強固で持続可能な経済の構築、成長の恩恵が平等に共有される包摂的で強靱な社会の創造、および平和と安定の確保という、相互に関連する3つのテーマに基づいて行われます。

    国連大学とTICAD

    長年にわたり、国連大学は研究および能力開発活動を通じてTICADプロセスに貢献してきました。1998年には、アフリカ経済研究コンソーシアムと共同で、ポリシーブリーフ 「Strengthening Africa’s Participation in the Global Economy(アフリカのグローバル経済参加を強化するために)」を作成しました。また2003年には、「アフリカ開発のための新パートナーシップ」(NEPAD)が掲げる優先課題(インフラの役割、資本フロー、統合、およびNEPADとTICADプロセスとの相乗効果の可能性など)を踏まえ、「How Can TICAD III Contribute to Support the Grand Design for Africa?(TICAD IIIはアフリカのグランドデザイン支援にどのように貢献できるか)」と題したポリシーブリーフの中でいくつかの提言を示しました。さらに国連大学は、TICAD IIIに併せて2つの公開イベントを主催しました。

    2008年5月28日~30日にかけて横浜で開催されたTICAD IV (「元気なアフリカを目指して :希望と機会の大陸」)で、国連大学は5つの公式サイドイベントと関連公開イベントを主催しました。また国連大学学長は、TICAD IVの分科会「適応と防災」でリーダーを務めるとともに、分科会「環境変動への対処」にも参加しました。さらに国連大学は、TICAD IV開催を機に、アフリカの開発専門家を特集したビデオシリーズ「Voices of African Development(アフリカ開発の声)」を立ち上げました。

    国連大学Priority Africa イニシアティブ

    アフリカの課題とニーズへの取り組みは、長きにわたり国連大学の活動全体に関わる分野横断的なテーマとなっています。国連大学Priority Africa イニシアティブは、アフリカ開発に対する国連大学の取り組みを合理化するため、発想、専門知識、能力、資源を一つの協働的な枠組みの中に結集させようというものです。

    2011年から、国連大学副学長が国連大学Priority Africa イニシアティブの運営主体となっています。国連大学が現在アフリカで進めているプロジェクトや活動についてさらに詳しく知りたい方は、ウェブサイトUNU Priority Africa initiative をご覧ください。

    国連大学ウェブサイトTICADウィーク

    TICADプロセスを記念して、TICAD V開催までの(および開催期間中の)この一週間、国連大学ウェブサイトはアフリカにスポットライトを当てます。

    国連大学ウェブサイトの記事セクションでは、当ウェブサイトで最もよく読まれているアフリカ関連記事、「Are Transgenic Crops Safe? GM Agriculture in Africa(遺伝子組み換え作物は安全か?アフリカの遺伝子組み換え農業)」、「Foreign Aid and Democracy in Africa(対外援助とアフリカの民主主義)」、および「アフリカが直面する課題とチャンス」を取り上げます。

    出版物セクションでは、国連大学が最近刊行したアフリカ関連の出版物3冊へのリンクを提供しています。またイベントセクションでは、引き続き国連大学のTICAD関連イベントをご紹介します(下記参照)。

    さらに、アフリカに焦点を絞った5つの特集を予定しています。

    国連大学のTICAD V関連活動

    最後に、東京・横浜地域にお住まいの方は、ぜひ国連大学のTICAD VサイドイベントやTICAD関連イベントにご参加ください。(TICAD本会議への参加は 公式代表者のみとなりますが、国連大学のイベントは一般公開されています。)

    サイドイベント(横浜)

    ケニアの医療制度改革 — 本シンポジウムでは、国連大学国際グローバルヘルス研究所(UNU-IIGH)の研究者たちがこれまでの経験と、ケニアの医療制度を改革するためにケースミックス制度を利用する国家病院保険基金(NHIF)による現在の取り組みについて紹介します。

    本イベントは英語のみで行われ、日本語への通訳はございませんのでご了承ください。

    (5月31日(金) 10:00-11:30 、会場: パシフィコ横浜内 アネックスホール C会場)

    ポスト2015年教育アジェンダにおける持続可能な開発のための教育 — 本セミナーでは、ESDの促進によりアフリカの地域コミュニティや各国が得られる具体的な利益に焦点を合わせます。また、「国連持続可能な開発のための教育 の10年」が終了する2014年に立ち上げられるアクション・プランについてセミナー参加者が意見を提供する機会でもあります。

    本イベントは英語のみで行われ、日本語への通訳はございませんのでご了承ください。

    (5月31日(金) 11:00-12:30 、会場: 国連大学高等研究所)

    持続可能な開発のための教育(ESD):アフリカ開発促進への投資 — 本イベントでは教育においてESDが堅実な投資であることを強調します。アフリカに住む人々の生活と生計に影響を与え、また、人々の尊厳を敬うため、ESDは教育の質および関連性を高めることを推進します。

    本イベントは英語のみで行われ、日本語への通訳はございませんのでご了承ください。

    (6月1日(土) 17:30-18:40 、会場: パシフィコ横浜内 アネックスホール D会場)

    持続可能な開発のための教育(ESD)を通じたアフリカにおける包摂的で強靱な社会の構築 — アフリカにおいて包摂的で強靭な社会を構築する上で、持続可能な開発のための教育(ESD)が果たす役割を議論します。 ESDを推進する国連機関(ユネスコ、ユニセフ)、国連大学が認定する ESD地域拠点(RCE) によるパネルディスカッションを行います。

    本イベントは英語のみで行われ、日本語への通訳はございませんのでご了承ください。

    (6月1日(土) 18:50-20:00 、会場: パシフィコ横浜内 アネックスホール D会場)

    アフリカの持続可能な開発のための大学の役割 — 本イベントでは、アフリカ開発銀行、東京大学、ザンビア大学、クワメンクルマ科学技術大学および国連大学サステイナビリティと平和研究所(UNU-ISP)の各代表者がアフリカの持続可能な開発のための大学の役割や、高等教育を通じてアフリカの持続可能な開発を達成するための革新的な方法について講演、議論します。

    日英の同時通訳もございます。

    (6月2日(日) 12:30-14:00 、会場: パシフィコ横浜内 アネックスホール A会場)

    伝統的農業システムとフード・セキュリティ— 本セミナーでは、世界重要農業遺産システム(GIAHS)の保護や、持続可能性の研究、2015年ミラノ国際博覧会のテーマ「地球に食料を、生命にエネルギーを」といった観点から伝統的農業システムの役割に焦点を当てます。講演者と討論参加者(国連大学サステイナビリティと平和研究所(UNU-ISP)、国際連合食糧農業機関(FAO)、西アフリカ農民・農産物生産者組織ネットワーク(Roppa)の各代表者と駐日イタリア大使)は、アフリカの開発において重要な課題である、フード・セキュリティの強化に向けた貢献の可能性を探ります。

    本イベントは英語のみで行われ、日本語への通訳はございませんのでご了承ください。

    (6月2日(日) 17:30-19:00 、会場: パシフィコ横浜内 アネックスホール A会場)

    その他のTICAD関連イベント(東京)

    議論から行動に:2025年までに飢餓を根絶 — シェンジェン・ファン国際食糧政策研究所(IFPRI)所長とデイビッド・マローン国連大学学長が、2012年の世界食料政策の動向と展望について考察します。世界の農業生産性向上の変化、グリーン経済と持続可能性に向けた動き、農業における男女格差の縮小、とくにアフリカの若者の雇用機会の改善における農業の役割、途上国の農業に関する先進国の農業政策の効果などをテーマに取り上げます。

    本イベントは英語のみで行われ、日本語への通訳はございませんのでご了承ください。

    (5月31日(金) 12:30-14:00 、会場: 国連大学本部)

    野口英世アフリカ賞受賞記念講演会 — 日本政府により創設された野口英世アフリカ賞は、アフリカにおける感染症や、その他の疾病に関する問題を解決するための医学研究と医療活動の2つの分野において、著しい成果を挙げられた方々へ授与されます。第2回野口英世アフリカ賞受賞者である、ピーター・ピオット博士(ベルギー)とアレックス・G・コウティーノ博士(ウガンダ)が国連大学本部にて受賞記念講演を行います。

    日英の同時通訳もございます。

    (6月4日(火)14:30-16:30 、会場: 国連大学本部)

    イベントの詳細や最新情報については、それぞれのイベントページのリンクをクリックしてください。