日本におけるユーザーフレンドリネス(ユーザーの利便性)とウェブサービス規格の推進

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  • 2016年12月21日

    EGOV for Context-Specific Public Service Delivery(文脈に即した公共サービス提供のためのEGOV)」プロジェクトの一環として、国連大学政策主導型電子ガバナンスに関するオペレーティング・ ユニット(UNU-EGOV)の学術職員は、日本の総務省(MIC)および同省の IT総合戦略本部(ITSH)に、オンラインサービス提供とワンストップポータル構造の発展の最新動向に関する洞察を提供する機会を得ました。

    日本では2015年の終わりにマイナンバー制度(または「社会保障・税番号制度」)が導入され、外国人や子どもを含むすべての居住者に12桁の識別番号が与えられただけでなく、その番号でオンライン識別やデジタル署名を行うことも可能になりました。

    マイナンバー制度の価値を最大化するために、政府は以前から情報通信技術への投資を続けており、ウェブサービスとデータ規格に関する戦略的イニシアチブを展開するためのITSHとMICの取り組みを支援してきました。その狙いは、政府機関のウェブサイトのユーザーフレンドリネスを高め、政府のデータに「ワンスオンリー原則」を適用することによりオンラインサービスを改善し、政府のインフラと構成要素の両方を再利用することにあります。

    UNU-EGOVのアカデミックフェローとタリン工科大学の研究者モルテン・マイヤーホフ・ニールセンが中心となって、ITSHとMICの政府関係者間会合が開催されました。この会合ではとくに、市民・企業向けポータルの資金調達・組織・意思決定モデル、ポータルを政府関連の問い合わせや取引サービスの国民的「ショッピングセンター」にするための方法、および、サービス開発、ユーザーテスト、ナビゲーション、マーケティングを目的としたペルソナの活用といったテーマが取り上げられました。

    またこの話し合いでは、ユーザージャーニー、すなわち縦割り組織をまたぐパーソナルでプロアクティブなサービス提供の重要性も強調されました。先日開催されたオマーン情報技術機構のためのポータル評価ワークショップと同様に、日常的な言葉遣い、質問に対する答えの見つけやすさ、論理的で直感的な構造やインターフェーズ、およびセキュリティとウェブアクセシビリティに関する国家・国際規格(WCAG 2.0 AAなど)への準拠の重要性が強調されました。議論の中で、デンマーク、コロンビア、英国をはじめとするさまざまな国の事例の長所と短所が紹介されました。

    詳細については、UNU-EGOVウェブサイトのnews story(ニュース記事)をご覧ください。