震災復興支援シンポジウム

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  • 2011年5月22日     東京

    国連大学サステイナビリティと平和研究所(UNU-ISP)は、5月22日、農林水産省、環境省との共催により、震災復興支援シンポジウム「震災復興に向けて~がんばろう東北!」を開催しました。

    本シンポジウムは、国連生物多様性の10年と国際森林年を踏まえて、3月11日に東北地方を襲った巨大な地震津波に対し、震災復興の方法を議論するとともに、復興のための環境にやさしい持続可能な政策を見出すことを目的に開催されました。当日は、ウ・タント国際会議場の他にGEOC でもインターネット中継を行いました。両会場で合計約450名の参加者があり、皇太子殿下もご聴講されました。

    5月22日は国連の定めた「国際生物多様性の日」であり、また、2011年から生物多様性条約第10回締約国会議(CBD/COP10)で提案された「国連生物多様性の10年」が始まり、さらに国連の「国際森林年」であることを踏まえて、生物多様性と震災復興との関連性を見出し、具体的な施策につないでいく機会として開催されました。

    開会に先立ち、ドキュメンタリービデオ「気仙沼における漁業の復興へ」(国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット、国連大学メディアセンター、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ事務局制作)が上映されました。続いて牡蠣の森を慕う会(NPO法人森は海の恋人)代表、畠山重篤氏が基調講演を行い、見過ごされがちな森と海の連環の重要性、その理念に基づいた植林を中心とする長年の活動、そして、震災復興と地域の再生についての考えを説明し、多くのことを三陸から世界へと伝えたいと述べました。

    パネルディスカッションでは、災害の危機・リスク管理の必要性、森・里・海の連環に根ざした地域再生、林業・水産業の具体的再生案、新たな国立公園(三陸復興国立公園(仮称))を軸にした復興構想等が提示されました。また縦割り的な視点でない森里海連環学に基づく地域モデルの展開、食料自給率と農林漁業の振興、バイオマスや地熱等エネルギー問題、生物多様性に関する愛知目標の達成等多様な観点から震災復興と地域の再生が議論されました。

    最後に国連大学武内副学長は、森・里・海の連環を生かした東北での震災復興が、日本の国土を作り替えるモデルになること、そしてそれを国際社会、特に途上国に対して復興モデルとして示すことが望まれること、また今後、関係省庁や諸機関の参加者を含めて一層の議論を進めることが期待されると締めくくりました。

    詳細はUNU-ISPのウェブサイトにてご覧いただけます。