残留性有機汚染物質に関するセッションを開催

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  • 2017年3月9日     バンコク

    国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は2月2日と3日、タイのバンコクで行われた国際会議「Pure and Applied Chemistry International Conference 2017 (PACCON 2017)」において、セッションを開催しました。

    セッションの第一部では、まず、竹本和彦UNU-IAS所長があいさつし、持続可能な国際社会の未来に向けた本研究所の戦略的アプローチについて説明しました。続いてマリオ・タブカノンUNU-IAS客員教授が、本研究所が実施する「残留性有機汚染物質(POPs)の監視と管理プロジェクト」について紹介し、同プロジェクトが、どのように科学的根拠に基づいた政策形成に貢献しているかについて述べました。プロジェクトの設立からこれまでの成果については、森田昌敏愛媛大学教授から説明がありました。また、柴田康之国立研究開発法人国立環境研究所フェローが、本プロジェクトの実施する能力開発や環境モニタリングのほか、化学物質汚染管理の推進とストックホルム条約との関連について話しました。株式会社島津製作所の飯田哲生氏は、具体的な分析技術に関して説明しました。

    第二部では、プロジェクト参加国であるインド、インドネシア、韓国、シンガポール、マレーシア、パキスタン、フィリピン、タイ、ベトナムの代表者が2016年度の活動報告をしました。代表者らは、同年、各国の沿岸部や河川部で採取されたサンプルによる分析で判明した各国の汚染状況に加えて、分析結果の幅広い共有や、さまざまな組織との連携により、環境汚染解決のための具体的な計画立案が進み、国際的な枠組みへの貢献にもつながった点を強調しました。

    「PACCON 2017」には、自身も科学者である、タイ王国チュラポーン王女殿下も出席されました。