2014年2月19日 Barcelona
政策立案者に最先端の移住関連研究を紹介するポータルサイト
2014年2月10日、バルセロナ — 国連大学は、国連大学移住ネットワークを開設しました。
国連大学グローバリゼーション・文化・モビリティ研究所(UNU-GCM)により新たに開設されるこのネットワークは、移住に関する問題についての理解を深めこれに対処したいという政策立案者や研究者のニーズに応え、国連大学システムの移住研究を統合するものです。
移住は重要な世界的傾向です。現在、およそ2億3,200万人(世界人口の3.2%)が出生国以外で暮らしており、さらに数え切れないほど多くの国内移民や国内避難民がいます。その中には、より高レベルの教育やより良い雇用機会を求めて国、地域、地方の境界を越える人々もいれば、政治紛争、社会的不公正、環境災害から逃れるために移民となる人々もいます。
移住は個人にとって、機会とリスク、快適さと不快さを同時にもたらします。また移民の流入は、コミュニティや社会にとって恩恵を与えるものであると同時に、政府(およびそのプロセスに関与する政府間組織や非政府組織)に複雑な課題をもたらします。
国連大学移住ネットワークは、世界的な国連大学システムで現在進められている移住関連のイベントや活動についての情報を提供することにより、根拠に基づいた政策立案に貢献することを目的としています。またこのネットワークのポータルサイトでは、国連大学の公表文書を集めた検索可能なオンラインのリポジトリを介して、移民関連問題に関する最先端の研究にワンストップでアクセスすることが可能です。このポータルサイトは開設段階で、37件の研究プロジェクトに関する情報を網羅し、200を超える公表文書(レポート、政策提言、書籍、記事、および研究成果報告書)へのアクセスを提供しています。
このネットワークは、国連大学の各研究所間において新たな相乗効果を生み出すための有益な手段となり、最先端の研究の実施と普及に役立つことが期待されます。
国連大学移住ネットワークは、現在5つの国連大学研究所の活動をカバーしています。ネットワークの5つの重点分野((i) 強制移住、(ii) 移住と健康、(iii) 移住と文化、(iv) 移住のガバナンスと政策、(v) 移住と開発)において、50名を超える国連大学の専門家が活動しています。
国連大学移住ネットワークのウェブサイト(http://migration.unu.edu/)をぜひご覧ください。
Dr. Valeria Bello
UNU-GCM Research Fellow and coordinator of the UNU Migration Network
phone: +34 935565934
e-mail: migration@unu.edu
「移住は開発の極めて重要な側面であり、その原因と結果は複雑である」と、バルセロナに拠点を置く国連大学グローバリゼーション・文化・モビリティ研究所(UNU-GCM)所長のパルバティ・ナイール教授は言います。「人類の起源と同じくらい古くから存在する移住は、まぎれもなくこの時代の重要な現象のひとつであり、より深い理解を必要とします」
「移住は複雑な現象であり、個人にとっても政府や社会にとっても数多くの重要な問題を包含しています」と、国連大学学長のデイビッド・マローン博士は言います。「新たに開設される国連大学移住ネットワークは、国連大学の研究者たちにとって、協調的・学際的研究を通じて国際移住の相関する諸側面とその積極的役割について明らかにするまたとない機会となります」
「国連大学移住ネットワークのポータルサイトは、動的で進化するツールです」と、UNU-GCMのリサーチ・フェローで国連大学移住ネットワークのコーディネーターを務めるヴァレリア・ベッロ博士は言います。「私たちはこのネットワークが、移民や移住プロセスの利害関係者のニーズ、利益、課題に重点を置きつつ、実行可能なイニシアチブや地方の慣行についてより広範な議論を行うことができる学際的なフォーラムとなることを期待しています。移住関連の政策立案に携わる人々を支援するための最善策について、ユーザーからのフィードバックを歓迎します」
国連大学移住ネットワークの目的
国際移住に関するデータ
詳細については、国連経済社会局の編集による国際移住統計
http://esa.un.org/unmigration/TIMSA2013/migrantstocks2013.htm?mtotals
をご覧ください。