追悼:猪口孝元国連大学上級副学長のご逝去に関するお知らせ

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  • 2024年12月1日

    国連大学は、元国連大学上級副学長の猪口孝教授のご逝去の報に接し、深く哀悼の意を表します。

    猪口教授とご令嬢(長女)は2024年11月27日に自宅での火事により惜しくもご逝去されました。ご遺族は国連大学の大切な友人である令夫人の猪口邦子参議院議員とご令嬢(次女)です。

    国連大学本部では猪口教授の人生と業績に敬意を表し、7日間、半旗を掲揚します。

    猪口教授は1944年に新潟県で生まれ、日本における政治学、外交、そして教育の第一人者でした。1995年から1997年まで国連大学の上級副学長を務め、国連事務次長補のランクを有しました。直近では、国連大学のシニア・ノンレジデント・フェローに任命されていました。

    半世紀にわたるキャリアを通じ、猪口教授は上智大学、東京大学、中央大学など日本や海外の一流大学で教鞭をとり、何千人もの学生を指導しました。

    1995年に国連大学で上級副学長に就任する以前、ジュネーブ大学(1977-78年)、ハーバード大学(1984年)、オーストラリア国立大学(1986年)、デリー大学(1989年)、オーフス大学(1990年)、ジョンズ・ホプキンス大学(1990年)、ガジャ・マダ大学(1990年)、カリフォルニア大学バークレー校(1993年)、北京大学(1993年)など、猪口教授は国外の複数の大学で研究や教育に従事していました。

    2009年から2017年までは新潟県立大学学長を務め、その後、桜美林大学で特別招聘教授を務めました。キャリアを通じ、猪口教授は100冊以上の日本語および英語の書籍を著し、何百もの論文や学術雑誌の原著論文を執筆しました。

    猪口教授は国際関係学の学士号を1966年に、修士号を1968年に東京大学で取得しました。1974年にマサチューセッツ工科大学で政治学の博士号を取得しました。

    猪口教授は数多くの賞や栄誉を授与され、2023年11月には教育と研究分野での貢献が認められ、瑞宝中綬章を受章しました。瑞宝中綬章は日本における最も高位の勲章の一つであり、公務や学問、芸術や文化などの分野において優れた功労のある個人に授与されます。

    「猪口教授とご令嬢の突然の悲報に、驚きと悲しみを深くしております。国連大学を代表し、令夫人の猪口邦子博士およびご令嬢ならびにご親族の皆様に、心よりお悔やみ申し上げます」とチリツィ・マルワラ国連大学学長兼国連事務次長は述べました。

    「猪口教授のレガシーは、日本社会そして世界への多大なる貢献であり、国際関係、政治、持続可能な開発への理解を推進することで、教育、ひいては平和への模範的なコミットメントを示されました」

    「光栄なことに私は過去1年間にわたり猪口教授と仕事でご一緒させていただき、彼から学ぶ機会に恵まれました。私たちは他の関係者とともに、エビデンスに基づく平和・紛争研究について考察する書籍のシリーズを共編したのです。この共同作業を通じ、教授の温かな学術精神とグローバル課題に関する比類なき知見に敬服しました」

    「教授の学問や奉仕に関するレガシーが、この非常にお辛い時期においてご家族の皆様にとって少しでも慰めとなりますように」