米国初の国連大学ハブをニューヨークのCCNYに開設

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  • 2024年11月5日     ニューヨーク

    ニューヨーク市立大学の創設機関であるシティ・カレッジ・オブ・ニューヨークCCNY)で、強靭な都市システムのためのリモートセンシングと持続可能なイノベーション(R-SIRUSをテーマとする新しい国連大学ハブが発足しました。このハブは、国連大学水・環境・保健研究所(UNU-INWEH)との緊密なパートナーシップのもと、CCNYと国連大学がグローバルに展開する研究・教育活動を結びつけ、国連の持続可能な開発目標(SDGs国際関係、持続可能な都市の発展に貢献します。 

    発足式には、国連大学学長国連事務次長のチリツィ・マルワラ教授、在ニューヨーク国連カナダ常駐代表で国連経済社会理事会(ECOSOC)議長のボブ・イ大使、CCNY学長のビンセント・ブードロー教授、そしてUNU-INWEH所長のカヴェ・マダニ教授などが出席しました。発足式の最後には、マルワラ学長とブードロー CCNY学長がパートナーシップ協定に署名しました。 

    新しいハブは、リモートセンシングと複雑な都市システムの持続可能性問題に焦点を当てた、米国初、かつ世界初の国連大学ハブとなりますハブは、気候関連の課題に対する世界の都市の適応力を高め、都市空間における包括性と回復力を育成することを目的としています。本ハブはニューヨークCCNY内所在し、科学、テクノロジー、都市イノベーションにおける同大学の強み生かし、強靭性があり、包摂的で、公平で、持続可能な都市開発のグローバルモデルとして機能します 

    「ニューヨーク市は、持続可能な都市の変革に特化したハブにとって理想的な環境です。この度のCCNYとの協力は、科学技術を活用して都市の適応性と回復力を高めるという力強いコミットメントを表していますとマルワラ学長は発足式で述べました。「ニューヨーク市立大学とのパートナーシップは、都市に恩恵をもたらすだけでなく、知識の共有と能力開発を通じて、世界の都市の持続可能性への取り組みに貢献し、特にグローバル・サウスに恩恵をもたらすでしょう 

    国連大学ハブは、学際的な専門家を集め、異常気象の影響、都市における水とエネルギーのニーズ、都市コミュニティに影響を及ぼす社会的不平等への解決策に取り組みます。国連大学R-SIRUSハブの活動は、研究と開発、教育と能力開発、政策とアドボカシーの3つの主要な柱から成り立っています。の三本柱は、科学的イノベーションと政策立案の架け橋となり、差し迫った都市の課題に対する実行可能な解決策を提供することを目的としています。 

    「私たちの大学は、公共の利益に奉仕する公的教育機関の義務に常に敏感でした。数十年にわたり、私たちは水とエネルギーシステムにおける気候変動のリモートセンシングに多大な投資を行ってきました。本パートナーシップにより、私たちは公共的に最もインパクトのある方法でリソースを活用することができるでしょう。国連大学とともにこのような活動に取り組めることを嬉しく思います」とニューヨーク市立大学のブードロー学長が述べました。

    世界12カ国に13の研究所を擁し、国際連合の学術部門である国連大学は、共同研究と教育を通じて、世界におけるさまざまな開発課題に取り組んでいます。本部は東京にあります。このハブの設立により、CCNYとカナダのオンタリオ州リッチモンド・ヒルに本部を置くUNU-INWEHとの積極的なパートナーシップが可能になります。UNU-INWEHは、持続可能性に関する主要な問題に取り組んでおり、世界中で最も差し迫った水、環境、保健の問題に取り組んでいます。 

    カヴェ・マダニUNU-INWEH所長は、このハブがグローバルな影響力を持つ可能性を次のように強調しました。「このイニシアチブは、持続可能な課題への取り組みに対する国連大学 のコミットメントを反映したものです。R-SIRUSハブは、国連大学が持つグローバルな視点と、CCNYが持つ地域に根ざした専門知識を融合させることで、世界の他の都市にとってのモデルとなるでしょう 

    CCNYはリモートセンシングの分野で顕著な科学的強みを持ちますが、同大学を特別な存在たらしめているの、米国において教育を安価で利用しやすく、インクルーシブにするために歴史的に貢献してきたからです。我々はこの成功を高く評価し、CCNYの同僚と協力して、世界中における知識へのアクセス向上に務めて参ります」とマダニ所長は付け加えました。 

    マダニ氏は、この新たなパートナーシップ が、UNU-INWEHのホスト政府であるカナダ連邦政府から多大なる支援を得ていることに触れ、この国連大学ハブが、都市部における気候関連課題への持続可能な解決策を促す触媒として機能する可能性を示唆しました。

    「世界的な気候危機には世界的な対応が必要であり、その世界的な対応においては、世界的に起きていることを地元で起きていることに結びつけることが重要ですと、ボブ・レイ在ニューヨーク国連カナダ常駐代表発足式で語りました。

    CCNYのハブには3つの研究クラスターが設けられます(1)都市システムの地球モニタリングとリモートセンシングのための新技術、(2)恵まれない都市コミュニティにおいて気候変動が健康に及ぼす影響、そして(3)持続可能な都市環境のためのエネルギー革新。また、CCNY学生に対し、短期トレーニングコース、インターンシップ、認定教育プログラムの機会に加え、国連大学とのさまざまな共同修士・博士プログラムを提供します。R-SIRUSハブ活動に関する三本柱のうち、政策アドボカシーは、公平で持続可能な都市変革を促進する政策を策定するために、ニューヨーク市当局や国際的な利害関係者と緊密に協力します。政策に焦点を当てたハブの活動は、恵まれないコミュニティにおける環境正義の問題に取り組み、包摂的な都市計画に貢献しますCCNYのコリン・パウエルスクール・オブ・シビック・アンド・グローバル・リーダーシッ 専門家が率いるこの柱は、科学的研究を、世界の都市環境の強靭性と持続可能性を支える実行可能な政策に転換することに重点を置ます 

    CCNYのR-SIRUSハブ共同エグゼクティブ・ディレクターは、グローブ工学部長のアレクサンダー・クージス教授とNOAAチェア・プロフェッサーのレザ・カンビルバルディ教授が務めます。R-SIRUSハブのメインオフィスはCCNYのメインキャンパスにあるグローブ工学部に設置され、研究者や学生だけでなく、社会人へのリーチを最大化するため、ニューヨーク金融街のブロードウェイにあるCCNY学際研究にもサテライトオフィスを設置する予定です。 

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    本記事の原文(英語)はUNU-INWEHのウェブサイトをご覧ください。