IPBESに関する国際科学ワークショップ

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  • 2011年9月13日     東京

    国連大学では、7月25日から27日までの3日間、環境省及び南アフリカ共和国政府との共催により、「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)に関する国際科学ワークショップ」を開催しました。

    本ワークショップには国内外の専門家38名が参加し、IPBESの活動の柱の一つである生物多様性と生態系サービスに関する評価等について検討が行われ、成果文書案が取りまとめられました。 今回のワークショップでは次の時代を担う研究者の育成とIPBESへの積極的参加を促すため、若手研究者も議論に参加いただきました。

    ワークショップでは、以下の6テーマの作業グループを設け議論が行われました。

    1. 評価と一般的な概念的枠組みの性質

    2. 評価の種類と規模

    3. データと指標

    4. 知識システムと伝統知識の活用

    5. 評価におけるシナリオと不確定要素の扱い

    6. 総論

    成果文書は、IPBES設立に向けた背景と課題、及びこれまで国際的に行われてきた科学的な評価の経緯を整理した上で、生物多様性と生態系サービスに関する科学的評価のあり方についての様々な提案を示す文書となります。具体的には、設定された質問に答える形で、それぞれの項目に関する提案 (recommendation)が示されます。この中には、科学的評価の枠組み、評価実施に必要な期間、組織構成、用いるべき情報と指標、評価実施のレベル、評価の対象、関係機関等との連携などに関する提案が盛り込まれる見込みです。本ワークショップで作成された成果文書案を参加者間で精査し、後日成果文書が取りまとめられます。本成果文書は、本年10月及び年明けに予定されているIPBES総会に提供される予定です。

    環境省は、9月12日付で本ワークショップの成果文書を国連環境計画(UNEP)に提出しました。内容はUNU-ISPのウェブサイトよりPDFファイルをダウンロードの上ご覧ください。