2012年11月16日 東京
国連大学は、2007年から国連大学理事であるアンジェラ・クロッパー氏のご逝去を報告するとともに謹んで哀悼の意を表します。クロッパー氏は長期療養中でしたが、2012年11月12日(月)に逝去されました。66歳でした。
アンジェラ・クロッパー氏は、カリブ海と地球規模での環境と開発の結び付きを専門とし、長い経歴をお持ちでした。政策の分析と立案、ならびに持続可能な開発のためのガバナンスに貢献しました。また、さまざまな公共政策組織の評議委員会の委員を務めるなど、公共の利益の問題とプロセスに関連した社会奉仕活動を幅広く行いました。
コンラッド・オスターヴァルダー国連大学学長は「国連大学理事会の理事一同、クロッパー氏が理事会の審議で示された専門知識に心から感謝しています」とコメントを発表しました。「クロッパー氏の環境と持続可能性の問題に関する幅広い知識は、国連システムに精通していることと相まって、理事会業務に計り知れないほどの貢献を果たしました。彼女はまた、あらゆるレベルにおける女性の参加の向上を強く支持していました。理事会の同僚理事、ならびに国連大学の職員や協力者全員が、クロッパー氏のご逝去に対し、深い哀悼の念を抱くことでしょう。」
クロッパー氏は、クロッパー財団の初代理事長であり、(夫であるジョン・クロッパー氏との)共同創設者でした。クロッパー財団は、持続可能な開発、公平性、より良い環境と資源管理の問題に重点を置く非営利団体として2000年に設立されました。2002年から2007年までトリニダード・トバゴの議会で無所属の上院議員を務めた後、2007年から2011年まで、国連事務次長補および国連環境計画の副事務局長を務めました(その後継続して特別顧問を務めました)。
2001年から2005年までは、世界中の生態系の状態の全体的な科学的評価を行ったミレニアム評価委員会の共同議長を務めました。それ以前は、国連開発計画開発政策局シニアアドバイザー、国連生物多様性条約事務局長、国際自然保護連合のガバナンスの代表 を務めました。
1980年代には、ガイアナに本部を置くカリブ共同体(CARICOM)事務局の機能的協力担当のディレクター、CARICOM事務局長の環境および教育に関するアドバイザー、国際家族計画連盟/西半球地域のカリブ海代表、人口と開発に関する東カリブ海担当プロジェクトマネージャーを務めました。彼女の経歴は、1970年代、トリニダードのカリブ工業研究所の研究官として始まりました。
クロッパー氏は、2005年ザイード国際環境賞「社会に前向きな変化をもたらした環境活動部門」をはじめ、 数々の賞を受賞しました。彼女は西インド諸島大学で開発経済学と国際法の学位を取得しました。
ご遺族はご主人とご子息お1人です。