お茶とSDGsから見る、自然との調和

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  • 2021年6月25日

    国連大学のフアン・パストール・イヴァールス研究員らは、5月21日の「国際お茶の日」を記念して、特定非営利活動法人「桜茶meet」が主催したオンラインイベントに参加しました。

    国連は2019年の総会で、お茶に関する長い歴史と文化的・経済的意義の認識を高め、お茶の持続可能な生産、消費、貿易の促進を目的として、5月21日を「国際お茶の日」と定めました。

    外務省の後援のもと開催された本イベントは、お茶と持続可能な開発目標(SDGs)を結びつける「自然と調和した暮らし」について着目しています。16代目宇治茶生産者である吉田利一氏、全米茶協会のピーター・ゴギ会長や熊本市環境局環境推進部水保全課の篠原朱音氏らも登壇し、幅広い視点からお茶について発言がありました。

    スペイン出身のイヴァールス氏は、国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(UNU-IAS OUIK)で、伝統的な日本庭園とグリーンインフラ、エコツーリズムや気候変動の関係について研究しています。

    本イベントでイヴァールス氏は、金沢が庭園や用水など自然文化資源に恵まれている一方で、人口減少や高齢化により保全の危機にさらされてることを指摘しました。

    このような問題に取り組むために、UNU-IAS OUIKは、2019年にSUNプロジェクト(Sustainable Urban Nature Project・持続可能な都市自然プロジェクト)を開始しました。様々な研究機関や地域の関係者とともに、都市に自然を取り戻し、地域の回復力を向上する研究活動を行っています。

    SUNプロジェクトの活動の一環として、イヴァールス氏は、学生、行政関係者、住民、外国人観光客などと一緒に庭園清掃ワークショップを実施していることについて、イベントで触れました。また、日本庭園の清掃を行った後に、みんなで一緒に抹茶を点て、日本文化を楽しむ様子も紹介し、次のように述べました。

    「お茶と日本庭園によって、人間と自然の一体感を取り戻すことができます。そして、自然との調和を通じて私たちのウェルビーイングも向上するでしょう」