2024年11月15日 ルンド
パートナーシップ協定に署名するマルワラ国連大学学長とレンストロム ルンド大学学長。Photo: UNU-INWEH
11月11日、国連大学は、ルンド大学にて「変化する環境における水(WICE)」に関する新たなハブを開設しました。世界では4番目、ヨーロッパでは2番目となる国連大学の新ハブは、国連大学水・環境・保健研究所(UNU-INWEH)と緊密に連携、中東やグローバル・サウスを中心に、持続可能な水ソリューションと環境情報学に関する国連大学の研究と教育を推進します。
発足記念イベントには、国連大学学長兼国連事務次長であるチリツィ・マルワラ教授、ルンド大学のエリク・レンストロム学長、ジェイソン・ラトーレ駐スウェーデンカナダ大使、フィキレ・シルビア・マグバネ駐デンマーク南アフリカ大使、アレクサンドラ・ブガイリスキスUNU-INWEH国際諮問委員会委員長、カーヴェ・マダーニUNU-INWEH所長などの関係者が出席しました。イベントの最後には、マルワラ学長とレンストロム学長がパートナーシップ協定に署名しました。
「『変化する環境における水』という新しい国連大学ハブは、水の持続可能性と国連の持続可能な開発目標の達成を推進するだけでなく、グローバル・ノースとグローバル・サウスの間に強力な双方向の知識の架け橋を作るという重要な役割を果たすでしょう」とマルワラ学長は述べました。
新設された国連大学ハブは、学際的な専門家を集め、水管理ソリューションの研究とイノベーションを開拓します。「環境と健康につながる水は、人類の未来にとって最も重要なグローバル課題のひとつです。ルンド大学にとって、このハブは主要な地球規模の問題に関して国連との協力を強化する素晴らしい機会です」とレンストロム学長は述べました。
国連の学術部門である国連大学は、12カ国に13の研究所を擁し、共同研究や教育を通じて、さまざまな国際開発課題に取り組んでいます。このハブの設立により、ルンド大学と、カナダのオンタリオ州リッチモンドヒルに本部を置くUNU-INWEHとの活発なパートナーシップが可能になります。国連の水に関するシンクタンクとして知られるUNU-INWEHは、持続可能性に関する主要な問題に取り組み、世界中で最も差し迫った水、環境、健康の問題に取り組んでいます。同研究所はカナダ政府からグローバル連携省を通じて支援を受けています。
「ルンド大学にUNU-INWEHのハブが設立されたことによって、水、環境、健康に関する世界で最も差し迫ったグローバル課題に取り組む に当たり、カナダとスウェーデンの協力を強化するための重要な新たなプラットフォームが提供されます」とラトーレ大使は述べました。「UNU-INWEHとルンド大学によるこの重要な協働および節目を祝福します。これにより持続可能な未来を築くために協力する上で、カナダとスウェーデンとの間に強い結びつきが生まれることでしょう」
ルンド大学にとって、この連携は研究者と学生の双方に機会を提供するものです。ハブを通じ、水や環境、健康に関連するすべての学部の研究者は、UNU-INWEHの一流の研究者とのネットワークを構築し、共同研究を行うことができるようになります。「ルンド大学の卒業生として、UNUハブの立ち上げのためにここルンドに戻ってこられたことを嬉しく思います」とマダーニ所長は述べました。「科学的な進歩を、具体的で現実的な変化を促す効果的な政策やインパクトのある行動に結びつけることは、極めて重要です。ルンド大学は、持続可能な水管理を確保するために、科学と政策と社会のギャップを埋める橋渡しを率先して行うのにふさわしい立場にあります」
ルンド大学の国連大学ハブは今後、水、環境、健康に関連するプログラムを学ぶ学生のために国連コースを設置します。学生は特別な研修を受け、さまざまな国際機関でのインターンシップに応募することができるようになります。「この協力関係は、グローバル・サウスとグローバル・ノースにおけるリーダーシップと交流のための素晴らしい機会を提示します。この協力により、水問題への取り組みに意欲的な学生を集めることができるでしょう。このイニシアチブは革新的な解決策や有意義なパートナーシップを育む可能性を秘めており、それによって水管理における画期的な進歩が可能となるでしょう。私たちは、こうした展望に期待を寄せています」と、ルンド大学で国連大学ハブの事務局長を務めるロルフ・ラーソン准教授(水資源工学)は述べました。
「国際諮問委員会を代表して、学長とルンド大学の温かい歓迎に感謝します。私たちは、パートナーシップと協力関係を強化し、貴学の著名な研究者やダイナミックな学生たちの素晴らしい活動を支援できることを楽しみにしています」とブガイリスキス委員長は述べました。
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