気候変動のもとにおける開発、「注目すべきプロジェクト」に選出される

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  • 2014年9月5日

    国連は、2014年9月23日にニューヨークの国連本部で開かれる国連事務総長の気候サミットに向けた強化策の一環である「ビッグ・データ・クライメイト・チャレンジ」において、国連大学世界開発経済研究所(UNU-WIDER)のDevelopment Under Climate Change(DUCC、気候変動のもとにおける開発)が「one to watch (注目すべきプロジェクト)」に選出されたと発表しました。

    ビッグ・データ・クライメイト・チャレンジは、国連グローバル・パルスが主催する世界的なコンペティションで、データと分析手法を用いて世界中の気候変動の経済的側面に関する新たな証拠を掘り起こすことを目的に、2014年5月に発足しました。森林管理、生物多様性、輸送から再生可能エネルギーやグリーンデータセンターまで、20以上のテーマに関するプロジェクトが40カ国から出展されました。「Projects to Watch(注目すべきプロジェクト)」は、新たなテーマや地域におけるとくに革新的なビッグデータの活用法を紹介するために選出されるもので、国連気候サミットのウェブサイトで特集されます。

    気候変動は、永久にとは言わないまでも、今後数十年の間は深刻な問題であり続けるでしょう。開発途上国の政策決定者が気候変動の不確実性に対処できるよう支援するうえでの主要課題の一つは、科学的・生物物理学的プロセスを経済的成果へと変換することです。UNU-WIDERの気候変動のもとにおける開発(DUCC)プロジェクトは、気候変動の経済的影響を探る分析的フレームワークを用いてこの課題に取り組むことをとくに目的としています。

    このプロジェクトで使用されているフレームワークは、水力発電、農業生産力、水の需給バランス、インフラの維持費など、幅広い要因を考慮します。これら各種の影響をもとに当該国の経済全体を網羅したモデルが構築され、これが経済的影響と政策オプションの評価に役立てられます。

    UNU-WIDERはこのフレームワークをいくつかの国に適用しており、それらのケーススタディはこちらでご覧いただけます。国連ビッグ・データ・クライメイト・チャレンジへの出展プロジェクトは南アフリカの事例に集中しており、その分析は南アフリカ政府が着手した長期適応戦略(LTAS)プロセスとの連携により進められています。

    この研究は、以下のような数多くの興味深い成果を生み出しました。

    中央値によると、2050年までに南アフリカの実質GDPの水準は、気候変動がないと想定した場合の予想値に比べて約1.5%低くなります。

    正味現在価値損失額の中央値は約2,590億ランドで、2007年のGDPの10%以上に相当するかなりの金額となります。

    南アフリカの給水インフラの高度な開発と統合は、大部分の地域において気候変動が水の供給に及ぼす影響を軽減するために役立ちます。こうしたインフラの維持と改善は、政策上の重要な優先課題です。