アフリカでの平和維持における相反する解決策

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  • 2014年10月8日     東京

    このビデオでは、国際危機グループのアフリカプログラム・ディレクターであるコンフォート・エロ博士が、ラフール・チャンドラン国連大学ポリシーアドバイザーとともに、アフリカでの紛争克服および平和維持のための課題と可能性のある解決策について話し合います。

    多数の平和維持戦略が、アフリカの紛争と安全保障に関する懸念に持続的な方法で対処できていません。エロ博士によると、アフリカのこの一見解決不可能な不安定性は、アフリカ政策のもっとも根本的な問題のいくつかに起因しています。そうした問題のひとつが、グッド・ガバナンス(正しい統治)を全体的に欠いているため、政府が正当性を発揮できないことだと博士は強調しています。これが原因となって、アフリカ地域で中心部と周辺部の根深い対立が引き起こされています。

    エロ博士はアフリカの将来について依然楽観的ですが、特殊な国境の形状が平和維持プロセスを阻む大きな障壁になっていることを指摘しています。こうした国境線によって、周辺部の地域コミュニティと中心地の上層階級との間に緊張が生み出されるだけでなく、国内で集団が争い合うことにより、そうした状況がさらに悪化します。この国境の形状は、アフリカ諸政府の主権問題にいっそう大きな影響を及ぼすようにもなっていますが、それは、国境地帯で新たに発見された自然資源が、経済成長の核になるとともに紛争の火種にもなっているからです。そうした状況は、「台頭するアフリカ」と「いまだ戦争から抜け出せないアフリカ」というふたつの相反する言葉に表されています。

    こうした利害の不一致を克服するひとつの方法が、資源収入を政府が産出地の地域コミュニティに確実に還元することであると、エロ博士は考えています。このような取り組みを支援するために、国際社会は既定の解決策や和平合意から離れて、アフリカのさまざまな国の複雑性と特有の問題を認める必要があります。博士は、紛争解決能力を持つ単一の当事者という考え方に異を唱え、国際協調の必要性を訴えています。さまざまな当事者が相互に貢献することで、国際社会の異なった能力を生かすことになり、アフリカの平和維持の可能性がさらに高まるでしょう。