気候変動により人々が苦境に追いやられていると新たな報告書が発表

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  • 2012年7月3日     Rio de Janeiro

    気候変動によりアフリカ東部の農村部の人々の脆弱性がさらに高まり、一部の人々が紛争地域に追いやられ、場合によっては国境を越えなければならない事態に陥っています。

    これは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と国連大学が刊行した新たな報告書「Climate Change, Vulnerability and Human Mobility(気候変動、脆弱性と人の移動)」による知見です。6月21日に国連持続可能な開発会議(リオ+20サミット)の場で発表された本報告書は、エチオピアとウガンダの難民および国内避難民約150人の個人的な証言に基づくものです。これらの人々の大半がエリトリア、ソマリア、スーダン東部の出身で、かつては農業または牧畜業に従事していました。

    大半の人は極端な気候条件が続いた結果、自国内で避難を強いられることになったのですが、国境を越えざるを得ない人もいます。こうした人々は、1951年国連難民条約の対象に必ずしもならないことから、深刻な問題に直面しています。

    「本報告書は、私たちが長年にわたり難民から聞いてきたことを確認するものです。難民たちは自分の家にとどまることができるようあらゆる努力をしました。しかし頼みの綱の作物が収穫できず、家畜が死んでしまったら、難民たちは移動するほかなかったのです」と、アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は語っています。

    「本報告書は、環境ストレス要因に直面している脆弱な人々の実情を理解することがいかに重要であるかを取りあげています」と、コンラッド・オスターヴァルダー国連大学学長も語っています。国連大学は、ボン大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス、UNHCRとともに、調査手法の設計を支援し、フィールドワークを実施しました。

    詳細な情報については、国連大学環境・人間安全保障研究所(UNU-EHS)ウェブサイトの報告書発表のお知らせ(英語)をご覧になるか、共同のUNHCR/UNU プレスリリース(英語)をダウンロードしてください。