南アフリカのペコ大使、東京の国連大学で講演

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  • 2012年10月8日     東京

    South Africas ambassador at UNU in Tokyo

    モハウ・ペコ 南アフリカ共和国大使。写真: Stephan Schmidt/国連大学

    2012年10月1日(月)、国連大学本部(渋谷区)でモハウ・ペコ 駐日南アフリカ共和国大使が、「国連安全保障理事会の改革を求める南アフリカのアジェンダ」と題した講演を行いました。

    スピーチの中でペコ大使は、国連安保理が現在の地政学的状況を正確に表してはいないとの主張を述べ、その有効性と正当性について懸念を表明しました。国連大学、早稲田大学、埼玉大学の大学院生、教授、およびその他の出席者からなる聴衆の前で、大使は国連安保理によって下される決断の重要性と永続的影響を強調しました。

    大使は、安保理により議論される問題の70%がアフリカに関するものであるにもかかわらず、常任理事国にアフリカ諸国が含まれていないことを指摘しました。このように安保理は、いまだに1945年当時の国連の状況を反映しており、アフリカやラテンアメリカの人々を効果的に代表するものとはなっていません。

    大使は、多くのアフリカ諸国がここ数年間にわたって著しい進歩を遂げており、世界で最も急速に経済が成長している10カ国のうち7カ国がアフリカ諸国であるということを強調しました。このようなことから南アフリカは安保理の緊急改革を強く支持し、新たに常任理事国2議席と非常任理事国5議席をアフリカ諸国とするよう提案しています。

    大使は2012年1月の安保理で南アフリカが議長国を務めたことについて触れ、「友人」をもてなすことよりも、決断を下す際に原則に従うことの重要性を強調しました。しかし、大使はマルチラテラリズムの概念を支持しています。

    ペコ大使はさらに、紛争の管理と解決において国連は、アフリカ連合など地域組織の役割を認識する必要があると主張しました。また、他国の政権交代をもたらすための一方的行動を正当化しようとする国によって「保護する責任」(R2P)などの政策が悪用されないようにすることが重要であると述べました。そして南アフリカの解放運動の中で学んだ教訓をもとに、進行中の紛争を解決するための軍事行動について対話を行うことの重要性を強調しました。

    最後に質疑応答が行われ、安保理に関するさまざまな重要課題が取りあげられました。大使は、常任理事国入りを目指す南アフリカの方針を支持し、南アフリカが地域紛争の解決において役割を果たしてきたこと、また今後もアフリカ大陸の利益のために努力を続けることを宣言しました。