クロド・ヘレル・ロサン大使、国連安全保障理事会を考察

, ,

News
  • 2013年11月27日     東京

    クロド・ヘレル・ロサン駐日メキシコ大使との本ビデオ・インタビュー(英語)は、下記のイベントを受けて行われたものです。インタビューの中で同大使は、自身の外交官としての豊富な経験から、国連安全保障理事会の意思決定プロセス、正当性、有効性、改革について語っています。大使はこれまでに、米州機構、経済協力開発機構、国際連合のメキシコ政府常駐代表などを歴任しています。

    クロド・ヘレル・ロサン駐日メキシコ大使は2013年11月8日、国連大学にて、2009~2010年に国連安全保障理事会(安保理)のメキシコ政府常駐代表を務めた際の自身の経験について講義を行いました。冒頭では、1945年のサンフランシスコ会議への参加、1946年の安保理非常任理事国への初選出など、メキシコと国連の歴史を略述しました。

    初の非常任理事国としての任期中、冷戦直前の常任理事国間の緊張を目の当たりにし、不快な経験をしたメキシコは、今後は理事国としてではなく、国連総会や他の国連機関で積極的な役割を果たそうと考えました。その後カルデロン政権が2005年、メキシコは安全保障理事会で重要な役割を果たすべきとの決断を下しました。同国は非常任理事国に立候補し、当選。2009~2010年、2年の任期を務めました。

    このメキシコの非常任理事国入りは、国内外双方の動きに関連していたとヘレル大使は見ています。まず対内的に、カルデロン政権は、自国を平和と紛争解決の推進者、人権機関設立の強力な支援者、そして同地域諸国の手本となるべく努力している軍事同盟を締結していない途上国として位置づけていました。対外的な要因としては、2008年のオバマ氏の大統領選当選、米国のより多角的な外交政策への移行など、メキシコが非常任理事国への立候補を決定するにあたり米国が重要な役割を果たしたことがあげられます。

    武力紛争下の児童に関する第1回分科会の議長を務め、国連平和構築委員会の第1回評価プロセスに参加したことで、メキシコ代表団、とりわけヘレル大使は安保理の業務を熟知するに至りました。これらの経験に基づき同大使は、議題を決定する際に政治問題が大きく絡んでくることが、安保理の業務遂行を依然として妨げていると指摘します。その一例が、議論の分かれたスリランカ情勢です。メキシコを含む多くの理事国がスリランカでの問題を議題として取り上げるべきだったと感じていました。

    この問題はこれまで、常任理事国数カ国の反対と圧力により、議題として取り上げられることはありませんでした。しかしこのような状況の中で、ヘレル大使は敢えて、常任理事国に対する一般的なイメージが強すぎるのではと指摘します。常任理事国は安保理で指導的役割を果たしてはいますが、多くの場合、その見解が正当なものであることを証明するために、非常任理事国の同意を必要とするのです。

    ヘレル大使は、メキシコおよび他の国連加盟国が提案した安保理改革案について詳しく説明しました。それには理事国に新たなカテゴリーを設けること、地域グループからの選出制度を改善することなどが含まれています。また非常任理事国の任期を延長すること、透明性と説明責任を確保するために2期連続選出を認めることをメキシコが支持している点を強調しました。

    大使は講演終了後、質疑応答の時間を設け、政府代表経験者の視点から見た安保理の複雑な実態を理解する貴重な機会を学生に提供しました。先ごろ発覚した米国国家安全保障局からの委託で諜報活動を行っていたエドワード・スノーデンによる機密情報漏えい問題に関しての米国との関係など、安保理における国家間の政治的関係について質問があがりました。これに対しヘレル大使は、最近のこれらの事件が理事国に大きな影響を与えることはないと考えていると回答しました。学生たちはまた、理事会の規模を拡大する、非常任理事国の2期連続選出を認める、常任理事国の行動規範を確立するなど安保理改革に対する自分たちの意見を大使に伝えました。