40年前の12月11日:国連総会が国連大学の創立を承認

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  • 2012年12月17日     東京

    1972年12月11日GMT (グリニッジ標準時)19時54分、宇宙飛行士のハリソン・シュミットとユージン・サーナンを乗せた アポロ17号 の月着陸船が月面に着陸しました。現時点で月面を歩いた最後の人類であるシュミットとサーナンは、月面で75時間過ごした後、月を周回するアポロ17号の司令船で待っていた仲間の宇宙飛行士ロン・エヴァンスと再び合流し、地球に戻りました。

    この出来事ほどにはエキサイティングではないかもしれませんが、1972年12月11日を記念すべき日にしている理由がもうひとつあります。40年前のこの日、「国連の支援により国連大学という国際的な大学」を設立することを承認する国連決議 2951 (XXXVII) が国連総会で採択されたのです。

    この決議は国連大学を、「学問の自由と自律が法のもとで拘束力をもって保証された」「……政府間機関ではない学術機関システム」と想定しました。

    さらに国連決議 2951は、「国連大学は、企画や調整を行う中枢機関と提携機関の分散的システムとによって構成され、世界の大学共同体に組み込まれ、人類の生存、開発、福祉に関わる緊急性の高い地球規模の諸問題についての行動指向的な研究と、……若手の学者や研究者の大学院教育に専念するべきである……」としています。

    1年後の1973年12月6日、国連総会は国連大学憲章を正式に採択しました( 国連決議3081(XXVIII))。そして1975年9月1日、国連大学は東京の国連大学本部で学術活動を正式に開始しました。

    この40年間で国連大学は、世界13カ国に15の研究所とプログラムを持つ世界的な研究・教育機関へと成長しました。そして国連決議2951のビジョンに忠実に従い、従来の学問「領域」を重視するのではなく、自然科学や物理科学の方法論的な厳密さと社会科学や人文科学の洞察力とを統合した、システム指向的で学際的な問題解決アプローチを採用しています。

    国連大学は国連の学術機関として、国連システムの他の組織(機関、プログラム、委員会、基金、条約事務局)との緊密な協力関係を維持し、国連と国際学術コミュニティとの懸け橋としての役割を果たしています。

    また国連大学は、国連システムと国連加盟国のシンクタンクとしての機能も果たしており、国連の役割と活動に関わる知識の向上、ならびに行動のための確固とした原則、方針、戦略、プログラムの策定におけるその知識の応用に貢献しています。