国連大学の新報告書『気象災害への強靭性強化:2021年の西ヨーロッパ洪水の教訓』

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  • 2023年5月23日     ボン

    気候変動により、世界中で洪水の発生頻度と危険度が増しています。イタリア、ブラジル、クロアチア、コンゴ民主共和国、インドネシア、マラウイ、フィリピン、ソマリア、そしてオーストラリア西部での最近の大規模災害が示すように、洪水は自然や社会に影響を及ぼし、コミュニティや都市、地域全体に壊滅的な被害を及ぼします。ドイツ(UNU-EHS)、ベルギー(UNU-CRIS)およびオランダ(UNU-MERIT)に所在する国連大学の3つの研究所が共同で発表した新報告書では、2021年の西ヨーロッパ洪水の教訓をもとに、気象災害への強靭性を強化するための5つの提言を示しています。

    2021年7月に、ライン・ムーズ地域で壊滅的な洪水が起き、数多くの人命が失われ、何十億ユーロもの損害が発生しました。洪水は世界中から注目を集め、激甚災害に対する同地域の準備不足と気候変動との関係性を浮き彫りにしました。この災害を受け、UNU-EHS、UNU-CRIS、そしてUNU-MERITは「国連大学気候レジリエンス・イニシアチブ」を立ち上げました。知識を共有し、政策形成に貢献し、積極的な適応や変革を推進することが目的でした。この取り組みの一環として、研究者たちはオランダのマーストリヒトで2日間にわたる「2022年 洪水知識サミット」を主催しました。さまざまなステークホルダーが一堂に会し、気象災害に対する強靭性を強化するために、世界中の洪水から得られた教訓について意見を交わしました。同サミットは、知識の不足部分を解消し、気候変動リスクや適応に関し政府が抱える問題に対応することを目的とし、地域協力や多面的な取り組みを促進しました。サミットの研究や成果に基づき、国連大学気候レジリエンス・イニシアチブは、リスクに対応し気象災害への強靭性を高めるために更なる研究と行動が必要な5つの分野を特定しました。具体的には、現在と将来のリスクへの理解を深める必要性、緊急対応への備えと連携強化、損害に対する保険、リスク・ガバナンスの強化、そして異常洪水から変革的な回復を遂げるための道筋です。

    報告書は結論として、複数のステークホルダー間の協力や地域協力を促進し、劇的な変革を後押しするために集団的な努力を行うよう、促します。

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    国連大学気候レジリエンス・イニシアチブの新報告書『Building Climate Resilience: Lessons from the 2021 Floods in Western Europe(気象災害への強靭性強化:2021年の西ヨーロッパ洪水の教訓(仮訳))』はこちらからダウンロードできます。