2023年8月29日
日本では間もなく防災週間(8月30日から9月5日)が始まり、9月1日には防災の日を迎えます。今年の防災の日は関東大震災の100周年にあたるため、特に防災や災害リスク軽減への関心が高まっています。
気候変動に影響に伴い、世界中で災害の頻度や強度が高まる中、災害を引き起こす相互に関連したさまざまな要因を紐解き、災害リスクを軽減していくことがますます重要となります。
国連大学では、世界中に所在する複数の研究所を通じ、こうした災害リスクに関する研究を推進し、災害リスク軽減のための政策形成に貢献しています。以下では、国連大学で最近発表された災害リスク関連の報告書の詳細や記事などを紹介します。
報告書『相互に関連する災害リスク』
2021年より年次で発表している国連大学環境・人間の安全保障研究所(UNU-EHS)による旗艦報告書です。毎年、世界中で起きた10件の大規模災害を分析し、災害を引き起こした前提条件や要因の相互関連性を明らかにするとともに、災害を防ぐためのソリューション(解決策)を提示しています。2023年版は本年秋に発表予定です。
報告書『気象災害への強靭性強化:2021年の西ヨーロッパ洪水の教訓』
気候変動により、世界中で洪水の発生頻度と危険度が増しています。ドイツ(UNU-EHS)、ベルギー(UNU-CRIS)およびオランダ(UNU-MERIT)に所在する国連大学の3つの研究所が共同で発表したこちらの報告書では、2021年の西ヨーロッパ洪水の教訓をもとに、気象災害への強靭性を強化するための5つの提言を示しています。
ポリシーブリーフ『災害リスク軽減のための地域レジリエンス・プラットフォーム構築』
国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)によるこちらのポリシーブリーフでは、災害リスク軽減のため、レジリエンス構築に要する知識やリソースを集約できるよう、地域に属する多様なステークホルダーが参画する地域レジリエンス・プラットフォーム構築を、地域の政策立案者や関係者に向け提言しています。