「世界水の日」:水とエネルギーのつながり 国連の記念式典を東京で開催

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  • 2014年3月21日     東京

    3月22日の国連「世界水の日」を記念して東京で開催された式典では、水とエネルギーの深いつながりが強調されました。

    「水とエネルギーの問題は世界的にもっとも深刻な問題です。この問題の重要性について、今年の『世界水の日』で強調することにより、世界にアピールします」と世界気象機関(WMO)事務局長で、国連水関連機関調整委員会(UN-Water)委員長を務めるミシェル・ジャロー氏が述べました。UN-Waterは国連システム全体の淡水関連の取り組みと「世界水の日」に関して調整を行う委員会です。

    国連は、2030年までに世界で食料の需要が35%、水の需要が40%、エネルギーの需要が50%増加すると予測しています。現在でさえ、7億6,800万人が改善された水源を利用できず、25億人が改善された衛生設備を使用できず、13億人が電気を利用できずにいます。

    「これらの問題に対して、今すぐに、そしてポスト2015開発アジェンダの議論においても、早急に対応する必要があります。こうした状況は容認できるものではありません。水と衛生設備を利用できない人々は、往々にしてエネルギーも使用できないのです」とジャロー氏は言います。

    UN-Waterの主要報告書である国連『世界水発展報告書(WWDR)』2014年版は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が主催・主導する世界水アセスメント計画によって作成と調整が行われ、「世界水の日」に発表される世界の淡水資源の状況に関する権威ある報告書です。同報告書は、水とエネルギーの優先事項に対するアプローチについて認識し、それらを統合するための政策と規制枠組の必要性を明らかにしています。

    WWDRは2003年から2012年にかけて3年ごとに発表されてきましたが、簡潔で証拠に基づき、特定のテーマに絞って提言を行う年次報告を求める国際社会の関心を受け、今年度は年次報告書になりました。

    2014年のWWDRは、水に関する問題と選択がエネルギーに影響を及ぼすこと、また反対にエネルギーに関する問題と選択が水に影響を及ぼすことを明確に示しています。たとえば、干ばつが起こればエネルギー生産が減少し、電力が十分に利用できなければ灌漑の実施が制限されることになります。

    同報告書は、工業用取水量全体のおよそ75%がエネルギー生産に使用されていることを指摘しています。また、料金について考察すると水とエネルギーの相互依存性がわかります。たとえば、(よくあることですが)水が補助金を受けてコストを下回る価格で供給される場合、水の主要な消費者であるエネルギー生産者は節水しようとはしません。また、エネルギーに補助金が拠出されると、水の使用量が跳ね上がります。

    同報告書は、政治的ガバナンスを調整し、水とエネルギーの価格に実質費用と環境影響を確実に反映させる必要性を強調しています。

    「エネルギーと水はグローバル開発アジェンダの最優先事項です」と語るのは、UN-Waterが主催し、国連大学と国連工業開発機関(UNIDO)が共催する今年の「世界水の日」のコーディネーターを務めるデイビッド・マローン国連大学学長です。

    「現在、水とエネルギーのつながりに関して政策に大きな格差が存在するため、国連は実証資料と政策関連の指針の提供において有益な役割を果たします。この式典を通じて、私たちは政策決定者、ステークホルダー、実務者に相関関係、潜在的な相乗効果、トレードオフに関する情報を提供し、水とエネルギー双方の優先事項に責任を持つ適切な対応と規制枠組の必要性を明らかにします。国連大学としては、私たちが抱えるエネルギーと水の問題に対する実行可能な解決策について、これまで以上に多くの議論と双方向の対話を刺激することが不可欠だと考えています」

    李勇(リー・ヨン)UNIDO事務局長は、包括的で持続可能な工業開発のための水とエネルギーの重要性を強調しています。

    「現在、経済的側面、とくに工業と製造業の役割を、グローバルなポスト2015開発アジェンダの優先事項に統合することを求める声が強くあります。製造業への環境上適正な介入が非常に効果的なものであり、環境劣化を大幅に低減する可能性があることは経験から明らかです。包括的で持続可能な工業開発が、経済、社会、環境といった側面の統合を成功させる重要な牽引役になると私は確信しています」と李UNIDO事務局長は述べています。

    「世界水の日」に対する世界の認識を高める一助として、毎年「国連命のための水大賞(Water for Life Awards)」が、水に関する国際公約を実現し、国際的に合意された目標を達成するための活動を表彰、促進するために、2つのカテゴリーを対象に授与されます。

    今年度の受賞都市の発表は、ジャローUN-Water委員長、幸山政史熊本市長、ミゲル・アンヘル・ナバーロ駐日スペイン大使、2014年の選考委員会委員長を務めるザファール・アディール国連大学水・環境・保健研究所(UNU-INWEH)所長の参加のもと、本日の特別式典の間に行われます。

    世界各地でも、3月22日当日もしくはそれまでに、「世界水の日」を記念して、楽曲の作成、公開議論、講演会、討論会、スポーツイベント、コンサート、写真コンテスト、映画の上映会などのイベントが行われました。

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    背景

    淡水の死活的重要性について認識し、注目するための国際デーが、1992年の国連環境開発会議(地球サミット、UNCED)で提案されました。国連総会ではこれを受け、1993年3月22日を最初の「世界水の日」とすることが定められました。毎年、「世界水の日」では淡水の具体的側面に焦点を置き、UN-Waterの主催のもと、1以上の機関が調整を行います。

    UN-Waterは、衛生設備などの淡水に関する問題について、各機関間の調整機能を担います。国連内での協調という長い伝統に基づき、2003年に正式に設置されました。

    国連大学は、日本に本部を置くグローバルなシンクタンクであり、大学院教育機関です。共同研究や教育を通じて、国連とその関係者、および加盟国が関心を寄せる人類の生存、開発、福祉といった緊急性の高い地球規模の問題の解決に貢献します。

    国連工業開発機関(UNIDO)は、途上国と経済移行国での持続可能な工業開発を促進し、加速させることに

    よって、貧困削減、包摂的なグローバル化、環境の持続可能性の実現に取り組む専門機関です。

    お問合せ先:

    Daniella Bostrom Couffe – UN-Water Communications Manager

    +41 79 159 92 17, daniella.bostrom@unwater.org

    Terry Collins – UNU Communications Consultant

    +1-416-878-8712, terrycollins@rogers.com

    Mikhail Evstafyev – UNIDO Communications Director

    +43 699 1459 7329, M.EVSTAFYEV@unido.org