国連大学世界開発経済研究所(UNU-WIDER)の新所長を任命

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  • 2018年2月7日     ヘルシンキ

    2018年2月7日 — 国連大学は、国連大学世界開発経済研究所(UNU-WIDER)の次期所長に、クナル・カリヤン・セン(Kunal Kalyan Sen)教授を任命したことを発表します。セン教授は、次期所長として2018年9月1日からUNU-WIDER に参加し、2019年1月1日付けで所長に就任する予定です。現UNU-WIDER所長で、2期10年間にわたって研究所を率い、素晴らしい実績を残してきたフィン・タープ教授は、2018年12月31日に任期満了を迎えます。

    UNU-WIDERは、開発経済研究の分野において世界をリードする研究所です。UNU-WIDERは国連大学初の研究センターで30年前にフィンランドのヘルシンキに設立され、現在は、シンクタンクと研究施設という二つの面を持った国連大学のユニークな構成機関として、国連システムの下、政策の提言から独自研究結果の発表まで幅広く貢献しています。持続可能で公平な開発を推進するために、アフリカ、ジェンダー、開発金融という課題を横断的に考察しながら、変革、包括性、持続可能性に重点を置いた研究を行っています。

    デイビッド・マローン国連大学学長・国連事務次長は「セン教授を国連大学機関の中で最も歴史あるUNU-WIDER の所長として迎えられることを嬉しく思っています。セン教授の開発経済分野での豊かな経験は、UNU-WIDERの国際的知名度をさらに高め、新たな時代のソートリーダーへと向かう扉を開いてくれるでしょう」と述べました。

    セン教授は、優れた研究実績と幅広い分野の学術的出版物によって、国際的に高く評価されており、専門の開発経済分野における第一人者として広く認められています。マンチェスター大学世界開発研究所の開発経済学の教授であり、Effective States and Inclusive Development Research Centre(効果的な政府と包括的開発研究センター)のジョイント・リサーチ・ディレクター(共同研究部長)も務めています。また、世界のリサーチ・コンソーシア(研究組合)を監督し、英国国際開発省(DFID)、 アジア開発銀行(ADB)、国際開発研究センター(IDRC)など、政府や二国間、多国間開発機関で顧問を務めるなど、豊富な経歴を有しています。

    セン教授は米ニュージャージー州立ラトガース大学で経済学の博士号を取得しました。査読付き学術誌に学術論文を多数発表しています。また共同編集書として『Deals and Development: The Political Dynamics of Growth Episodes(取引と開発:成長エピソードの政治力学)(2018年)、共著書として『The Political Economy of India’s Growth Episodes(インドの成長エピソードの政治経済学)』(2016年)、『Out of the Shadows: The Informal Sector in Post-Reform India(日の当たる場所へ : 改革後のインドにおけるインフォーマルセクター)』(2016年)、著書として『Trade Policy, Inequality and Performance in Indian Manufacturing(通商政策、不平等およびインド製造業の業績)』(2008年)などが出版されています。

    本件に関するお問い合わせは、広報部長のヒラリー・マクブライド(mcbride@unu.edu)までお願いいたします。

    国連大学について

    国連大学は40年以上にわたって、人類の生存と発展、福祉に関する差し迫ったグローバル課題について、公平な立場から研究するシンクタンクとして機能してきました。世界13カ国に展開する研究所、400人を超える研究者たちが、変化をもたらすために政策に直結した知識を生み出し、「持続可能な開発目標(SDGs)」の17目標すべてにまたがる研究に取り組んでいます。