国連大学欧州事務所副学長および国連大学環境・人間の安全保障研究所(UNU-EHS)所長を任命

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  • 2020年5月29日     ボン

    国連大学は2020年8月1日付で、国連大学環境・人間の安全保障研究所(UNU-EHS)の次期所長を兼務する欧州事務所副学長に、申曉萌(シェン・シャオメン)氏を任命しました。

    ドイツ・ボンを拠点に活動するUNU-EHSは、環境災害と地球規模の変化に関するリスクおよび適応策について研究し、このようなリスクを削減するための政策やプログラムを推進しています。UNU-EHS所長に就任する申氏は、学術面、運営面での最高責任者として、同研究所の管理と組織、プログラム運営を担います。

    また、申氏は国連大学欧州事務所副学長として、国連システム内外のステークホルダーとの協力を促進し、他の国連機関や地域・国の機関とのハイレベルな政策策定に貢献するとともに、ジュネーブに本部を置く国連機関や欧州委員会のほか、欧州の学術研究機関に対する国連大学のアウトリーチ活動を担うことになります。

    申氏は2011年以来、当時のドイツ連邦教育・研究省国際局傘下にあるドイツ航空宇宙センターのプロジェクト管理機関(DLR-PT)で、活動に携わってきました。DLR-PTでは当初、上級技官として(2011~2012年)、アジア・オセアニアにおける多国間の科学技術開発を担当しました。2013年からは、アジア・オセアニア協力局次長、東アジア・オセアニア協力局長を歴任したほか、欧州委員会の「EURAXESS Worldwide」イニシアチブの調整官として、若手科学者の活躍の場を広げることにも尽力しました。

    DLR-PTに加わる以前、申氏はUNU-EHSで常勤研究員兼PhDリサーチャー(2004~2008年)として所属し、その後、アソシエイト・アカデミック・オフィサー(2008~2010年)として、社会的脆弱性の文化的・社会経済的側面、社会的脆弱性の比較文化論的認識、および文化の相違に配慮した社会的レジリエンス(回復力)の強化に向けたボトムアップ型アプローチを専門に研究を行っていました。

    国連大学学長を務めるデイビッド・マローン国連事務次長は次のように述べています。「申氏を再び国連大学にお迎えすることができ、うれしく思います。国際的な科学管理部門の専門性と、UNU-EHSでの経験に基づく活動に関する知識をもとに、同研究所の研究・研修活動を強化し、国連大学の欧州内外での重要な活動をさらに進めてくれることでしょう。また、前任のディルク・メスナー所長が年初に離任して以来、ボンにおける国連大学の取り組みを統率してきたジータ・セベスバリ氏にも、感謝の意を表したいと思います」

    申氏は、北京外国語大学で学士号、ボン大学で修士号、ボン大学・UNU-EHSで博士号をそれぞれ取得し、洪水リスクに関する認識と、異なる文化的文脈におけるコミュニケーションを専門に研究。最近では、ドイツ連邦政府が設置した研究・イノベーション専門家委員会の委託を受け、ドイツと中国のイノベーション・システムに関する比較研究論文の共著者にもなっています。

    申氏は、「UNU-EHS所長および欧州副学長として国連大学に戻ることができ、誇りに思います」と述べています。「UNU-EHSは世界でもトップクラスの研究機関であり、また、国連大学副学長欧州事務所(UNU-ViE)は、国連大学のグローバルな組織開発を支援するうえで不可欠な存在です。UNU-EHSやUNU-ViEの 同僚とともに、国連大学のグローバルネットワークの成長と成功に寄与できることを楽しみにしています」

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    本件に関するお問い合わせ

    英語:国連大学副学長欧州事務所(UNU-ViE)・国連大学環境・人間の安全保障研究所(UNU-EHS) 広報担当
    ジャニーン・キャンデル kandel@vie.unu.edu, +49 228 815 0219

    日本語:国連大学 広報部
    mediarelations@unu.edu

    国連大学副学長欧州事務所(UNU-ViE)について

    ドイツ・ボンを拠点に活動するUNU-ViEは、国連大学の組織開発を支援し、国連機関との協力関係を促進するとともに、共同プログラムなどの開発を通じた知識とノウハウの共有に取り組んでいます。また、ボンにある国連機関や、その他地域のステークホルダーとの協力も推進しています。

    国連大学環境・人間の安全保障研究所(UNU-EHS)について

    ドイツ・ボンを拠点に活動するUNU-EHSは、環境災害と地球規模の変化に関するリスクと適応策について研究しています。具体的には、保険によるアプローチを組み込んだ気候変動への適応、環境によって誘発される移住と社会的脆弱性、生態系サービスや環境悪化のプロセス、自然災害による脆弱性とリスクを分析するモデルやツールなどの研究分野に取り組んでいます。また、ボン大学と共同で「環境リスクと人間の安全保障の地理学」に関する修士課程プログラムを設置しています。