2014年2月25日 東京
日時:2014年3月3日(月) 午前9時30分〜午後5時30分(東京会議)
2014年3月4日(火) 午後4時(総会と記者会見)
場所:国連大学本部 ウ・タント国際会議場 3階(渋谷区)
言語:3日は日英同時通訳あり、4日は英語のみ
主催:国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)
2013年12月、世界の動植物に対する意識を高めるため、国連総会は3月3日を「世界野生生物の日」に制定しました。
国連大学はこの日の関連イベントの一つとして、3月3、4の両日、野生動植物犯罪に関する会議を東京の国連大学本部で開催します。
3月3日(月)は9:30からのオープニングセッションに続き、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)事務局、国連環境計画(UNEP)、国際刑事警察機構(ICPO)、世界税関機構(WCO)、海外の環境保護団体などから数々の専門家を招き、以下の3つのパネルディスカッションを行います。
セッション1:野生動植物犯罪に対抗するための証拠に基づいた政策立案のあり方
セッション2:環境危機、特に密猟によって起る危機に対して国連が果たすべき役割
セッション3:野生動植物犯罪と立ち向かう日本の活動から得られる教訓
会議にはウガンダ共和国のムタガンバ・観光野生生物担当相も出席です。セッション3には日本の環境省、外務省、経済産業省の担当者のほか、国内の非政府組織(NGO)の代表2名が参加します。
3月4日(火)には、野生生物に関する政策、情報システム、衛星リモートセンシングデータの分野において活躍するエキスパートを招き、非公開ワーキンググループ会議を行います。ワーキンググループの主な目標は、野生動植物犯罪に関する国境を越える情報共有を、特に発展途上国において進めるための効果的な取組みを考案することです。
非公開ワーキンググループで議論された内容は、同4日に開催される総会(16:00–17:30)で一般公開されます。
ワーキンググループの成果は、国境を越える情報共有に関する東京宣言、として発表されます。
総会閉会直後に会場内で会議の結果などに関する記者会見を開催する予定です。
プログラム(仮、英語のみ)についての詳細は、イベントページからどうぞ。
取材をなさる記者の方には事前の登録をお願いしています。電話、または、Eメールで以下にご連絡ください。
UNU-IAS 有馬牧子、電話: 045(221)2327、Eメール: arima@ias.unu.edu
象牙やペットなどの違法な野生生物取引は年間数千億円もの規模になるとされ、貴重な生態系を破壊し、多くの動植物を絶滅の危機に追い込んでいます。
その手口は年々、巧妙化し、国際的な犯罪組織の関与も指摘されており、国際社会として協調して行動を取ることが緊急の課題となっています。
国連総会は、昨年12月に採択した国連決議の中で、野生動植物が我々人類及び持続可能な開発のためにもたらしてきたさまざまな価値(環境的、遺伝的、社会的、経済的、科学的、教育的、文化的、娯楽的、美学的など)を再確認し、このような本質的な価値を持つ野生動植物種の生存を違法な国際取引から守るための「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora 、CITES)」の役割の重要性も強調しています。 また、決議は国連の全加盟国、国連機関及びその他の関係者(国際機関、地域機関、NGO、市民社会及び個人など)に対し、「世界野生生物の日」を祝い、野生生物保全についての人々の意識を高めることに貢献するよう求めています。
この2月12、13の両日、ロンドンで開かれた「違法野生生物取引に関するロンドン会合」では日本を含めた46カ国の代表が、違法な野生生物取引廃絶に向けた行動を強化するとの宣言を発表しました。
国連大学は2005年から、野生動植物の違法取引監視システム(Wildlife Enforcement Monitoring System、WEMS)を開発し、アフリカ諸国4カ国(ウガンダ共和国、ケニア共和国、タンザニア連合共和国、コンゴ共和国)で運用を始めました。WEMSは、国境を越える野生動植物の違法取引に関するデータを各国の野生動植物課より収集し、政策決定過程に組み込むことを手助けすることを目指しています。
野生生物の違法取引対策を進める上での大きな障害の一つは、違法な活動や取引に関するデータ共有態勢が不備で、政策担当者が最新のデータにアクセスすることが難しいことです。これは今回の会議の重要な議題の一つとなります。
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