国連事務総長、国連大学学長にカナダのデイビッド・マローン現学長を再任

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  • 2017年8月15日     New York

    アントニオ・グテーレス国連事務総長は、ユネスコのイリーナ・ボコバ事務局長と協議し合意を得て、次期国連大学学長にカナダのデイビッド・マローン博士を再任しました。

    マローン博士は、2013年3月に任期5年の国連大学学長に就任し、学長としての任を見事に務め、その任期も満了を迎えようとしています。マローン博士は、第6代国連大学学長であり、国際開発と国際安全保障の分野における優秀な研究者、専門家でもあります。ラダ・クマール国連大学理事会議長が主導して世界中の人材を対象に選考を行い、それを受け国連事務総長およびユネスコ事務局長の各代理者同席の下、マローン博士の学長再任を決定しました。

    マローン博士は、2013年の学長就任以来、率先して国連大学の改革に取り組み、政策に関連する研究の重要性を説いてきました。その結果、国連システム内外の政策決定グループとの協力関係はより緊密なものとなりました。また、マローン博士が国連システム事務局長調整委員会(CEB)へ加わったことにより、国連事務総長や国連システムの幹部への政策提言や対話が円滑に行えるようになりました。2017年には、国連大学を代表して、国際的な移住問題に対する政策の調整や一貫性を高める活動を行う、国連機関で構成されたグローバル・マイグレーション・グループの議長も務めました。

    マローン博士は、国連大学学長に就任する以前に、開発途上国における政策関連の研究支援、資金提供を行なう機関であるカナダ国際開発研究センター(IDRC)の総裁を務めました。それ以前は、国連経済社会理事会のカナダ代表、カナダ国連大使およびカナダ国連代表部次席代表を歴任し(ニューヨーク、1990~1994年)、国連平和維持活動特別委員会の協議ならびに国連総会における平和維持活動に関する協議の議長も務めました(1992~1994年)。さらにカナダ外務・国際貿易省で経済・多国間外交分野を監督し、インド、ネパールおよびブータンのカナダ特使を務めました。また、研究発表・政策開発・アドボカシーを中心に活動しているニューヨークの国際平和アカデミー(現国際平和研究所)の所長も務めました(1998~2004年)。

    マローン博士は、モントリオール商科大学、アメリカン大学(カイロ)、ハーバード大学を卒業し、オックスフォード大学で博士号を取得しています。ニューヨーク大学ロースクールおよびトロント大学マッセイカレッジと提携して、著書(共編を含む)を多数出版しています。著書には『Does the Elephant Dance? Contemporary Indian Foreign Policy (ゾウは踊るか?インドの現代外交政策)』(2011年)、『Nepal in Transition: From People’s War to Fragile Peace (転換期のネパール:人民戦争から脆弱な平和へ)』(2012年)、『International Development: Ideas, Experience and Prospects (国際開発:理論、経験、展望)』(2014年)、『The UN Security Council in the 21st Century (21世紀の国連安全保障理事会)』(2015年)、『The Oxford Handbook of Indian Foreign Policy (インド外交についてのオックスフォード・ハンドブック)』(2015年)、『Law and Practice of the United Nations (国際連合の法と実践)』(2016年)などがあります。

     国連大学は、世界13カ国で14の研究所とプログラムを展開するグローバルな研究・教育機関です。1975年の創立以来、国連大学の最も重要な目標は、現在の世代が平和で自由、安全かつ健康で文化的な生活を送ることができ、さらに将来の世代も同様の生活を送ることを可能とする世界の持続可能な開発に貢献することです。国連システムの学術機関として活動するにあたり、国連大学は、シンクタンクとして助言を行うことに加え、研究、教育、能力開発にも重点を置いています。また、世界の主要大学や研究機関ならびに、その他の国連システム組織(機関、プログラム、委員会、基金および国際条約履行補佐の事務局)とも緊密な連携をとっています。

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    国連ウェブサイトの公式プレスリリースを若干編集しています。