2022年3月21日 ジュネーブ
国連大学政策研究センター（UNU-CPR）、国連の独立政策シンクタンクは、スイス連邦外務省の支援を受け、ジュネーブに事務所を開設することになりました。ニューヨークとジュネーブの政策研究のコミュニティーが関心を寄せる戦略的な優先研究課題に取り組みます。新事務所は、グローバル・ガバナンスの革新から紛争の予防まで、特に人権、平和維持、正義、人々の移動に焦点を置いた様々な重要課題に関して、ニューヨーク事務所との連携を促進します。
UNU-CPRは、創設以来、スイス連邦政府の協力の下、制裁や調停、人道的措置、紛争予防、平和構築などに関する幅広い政策研究プロジェクトに取り組んできました。また、同センターは、ジュネーブに本拠地を置く数多くの国連諸機関やプログラム、教育機関・市民社会パートナーとの強固な関係性を築いてきました。今回、新事務所が国際ジュネーブに新たに加わることによって、関係が更に発展し拡大していくことが期待されます。
国際連合大学学長兼国際連合事務次長デイビッド・マローンは次のように述べました。「国連大学政策研究センターは、国連システム及び加盟国のために厳密な分析を行い、エビデンスに基づく解決策を特定することを目的として開設されました。この新たな取り組みは、今日において同センターの多いなる成功を築き、国連政策立案の重要な貢献者及びアドバイザーとして、早い段階で認知されました。 ジュネーブに拠点を置くことで、UNU-CPRは国連の2つの主要な政策立案センター間の架け橋となるだけではなく、世界中の研究コミュニティー、特にグローバル・サウスに関する研究のコミュニティーに更なる支援活動ができるようになります。」
国連大学政策研究センター・ジュネーブ事務所は、2022年半ばに運用を開始する予定です。同センターのダビッド・パサレーリ所長は、次のように付け加えました。「この新事務所の創設は、世界中から一流の研究者の才能を結集し、国連での運用と戦略的意志決定に応用するUNU-CPRの能力を強化することになります。この事務所は、当センターの国際的なパートナーとのネットワークと、より平和的で公正かつ豊かな世界のための解決策を共同開発する能力を強化してくれるでしょう。国連大学の使命に対するスイス連邦の継続的なコミットメントに、私たちは心から感謝致します。」
国連及びジュネーブにあるその他の機関のスイス常駐代表であるユルグ・ラウバー大使は、次のようにコメントを述べました。「私たちは、国連大学政策研究センター・ジュネーブ事務所の創設を支援できることを喜ばしく思っています。ジュネーブには世界で最も多くの国際機関が集まっており、学術のネットワークも充実しています。このような豊かな地にUNU-CPRを迎え、多国間主義が根ざしたジュネーブの環境に溶け込むことを期待しています。当センターの実用的かつ解決志向アプローチの研究が、国際ジュネーブをより豊かにし、最終的には世界の政策立案コミュニティーにとって大きな利益となることを確信しています。」
ジュネーブにある新事務所は、UNU-CPRの4つの主要な業務分野: 紛争予防と平和の持続、開発の公平性とグローバル・ガバナンス、現代の奴隷制、そして予期的人道行動とイノベーションにおいて新たなプロジェクトを展開して行きます。先頃、国連大学政策研究センターは、事務総長室の公共財に関するハイレベル・パネルに指定され、国連事務総長室と緊密に連携し、ニューヨークとジュネーブが共同で運営する予定です。UNU-CPRの共同設置センターが実質的な研究を通じて、事務総長及び加盟国に向けた具体的な提案を行い、同パネルをサポートすることになります。
アンソニー・ドゥルシー
広報部 広報部長
国連大学政策研究センター（UNU-CPR）
dursi@unu.edu | +1- 646-905-5229
フェデリック・バレネガー
二等書記官, 広報
在ジュネーブ国際連合スイス連邦代表部
Frederic.ballenegger@eda.admin.ch | +41 79 726 66 30
国連大学政策研究センター（UNU-CPR）は国連の独立政策シンクタンクであり、2014年の設立以来、平和と安全保障および世界開発の分野における国連大学の政策との関連性強化を求める国連事務総長の要請に応えて国連大学学長が開始した広範囲に及ぶ取り組みの一環として設立されました。
国連大学はグローバルなシンクタンクであり大学院の教育機関で、本部を日本に置いています。国連大学の使命は、国連加盟国の世界を先導する大学や研究機関と連携をとることで、国際的な学術機関ならびに国連システム組織との架け橋という役割を担っています。
国際ジュネーブ：「多国間主義の原動力」と呼ばれることもあるジュネーブは、世界で最も高い密度で国際機関、NGO、科学・学術の関係者・ビジネスが集まる生態系が存在する場所であり、これらすべてが世界の平和、権利、繁栄のために取り組んでいます。