東京大学の白波瀬佐和子教授を国連大学の上級副学長に任命

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  • 2021年9月14日     東京

    国連大学は9月14日に、東京大学の白波瀬佐和子教授が次期上級副学長として任命されたことを発表します。白波瀬教授は、10月1日付で就任する予定で、国連事務次長補を兼務します。

    国連大学の上級副学長として、白波瀬教授は、国連大学全体のマネジメントを支え、学術機関としての活動の統合的な取り組みを進めます。また、日本の大学や政府機関と国連大学との間で構築した関係の促進などを担当します。

    白波瀬教授は社会学者として、社会階層と不平等、少子高齢化と格差、ジェンダーなどを研究。2010年より、現職の東京大学大学院人文社会系研究科教授を務め、同大学の理事・副学長(国際、総長ビジョン広報)も務めました。

    オックスフォード大学で博士号を取得後、コロンビア大学のジュニア・リサーチ・フェロー(1989年‐1995年)、国立社会保障・人口問題研究所室長(1997年‐2003年)、筑波大学大学院システム情報工学研究科助教授(2003年‐2006年)、同大学大学院人文社会系研究科准教授(2006年‐2010年)を歴任してきました。

    国連大学のマローン学長は、次のように述べています。

    「この度、白波瀬教授には初の女性上級副学長として国連大学の重要職務にご就任いただきます。白波瀬教授の研究分野である社会的不平等、少子高齢化社会やジェンダーなどは、国連大学のグローバルな社会経済開発の研究活動を前進させてくれると期待しています」

    白波瀬教授は文部科学省の科学技術・学術審議会や復興庁の復興推進委員会など、日本政府のさまざまな審議会や政策提言に携わる委員会などにも参加し、日本学術会議、国際学術会議、国際社会学会などにも所属しています。

    また、数多くの論文や著書などを発表し、代表的なものには、2014年の『Social Inequality in Japan(日本の社会的不平等)』 (ラウトレッジ)や2010年の『生き方の不平等―お互い様の社会に向けて』(岩波新書)などがあります。

    就任に当たり、白波瀬教授は次のように述べています。

    「この度、国連大学の一員として加わることになり、嬉しく光栄に思っています。今までの自分の研究や築き上げたネットワークを通じて、国内外の学術界および政策立案者と国連大学との間の連携を強化したいと思っています。さらに、変化し続ける社会への理解促進を図り、意義のある社会開発を支援したいです」

    白波瀬教授は、2016年10月から国連大学上級副学長を務めている沖大幹氏の後任です。マローン学長は、沖上級副学長について次のように述べています。

    「沖上級副学長には、今まで多大なるサポートをしていただき、大変感謝しています。国連大学の水関連の研究にも多く貢献し、日本企業と持続可能性について話し合う枠組みとして、沖上級副学長が立ち上げたSDG企業戦略フォーラムの活動について、今後も続けていただけることを嬉しく思っています」

    取材に関するお問い合わせ

    国連大学の白波瀬佐和子新上級副学長への取材をご希望の報道関係者の方は、広報部の伊藤までご連絡ください。(ito@unu.edu)