カナダのデイビッド・マローン博士、国連大学新学長に就任

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  • 2013年3月1日     東京

    2013年3月1日、東京 —  国連大学より、カナダのデイビッド・マローン博士の国連大学学長就任を発表します。学長の任期は2018年までの5年で、マローン博士は在任中、国連事務次長の役職に就きます。

    2012年10月に国連事務総長事務局は、スイス出身のコンラッド・オスターヴァルダー博士( 2007年9月1日~2013年2月28日、国連大学学長就任)の後任として、マローン博士が第6代国連大学学長として選出されたことを発表しました。

    マローン博士は、国連大学学長就任前は、開発途上国における政策関連の研究を支援する機関であるカナダ国際開発研究センターの所長を2008年から務めていました。マローン博士の経歴は、下記の略歴を参照してください。

    「マローン博士の学長就任のお祝いを申し上げるとともに、今後はマローン博士とともに国連大学の果たすべき重要な役割を強化し、緊密に協力していくことを楽しみにしています。」と、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は述べました。「マローン博士はこれまで培った多くの経験を生かし、国連大学学長という重要な職務を遂行されていかれるでしょう」

    国連大学理事会を代表し、理事会議長のモハメド・H・A・ハッサン氏(スーダン)は、「マローン博士の第6代国連大学学長への就任は大変喜ばしいことです。理事会のメンバーも、マローン学長を大学に迎えられることを歓迎し、これからの年月をともに働けることを楽しみにしております」と述べました。

    マローン新学長は、「私はこれまでに国連大学とともに仕事をしたこと、国連大学の複数のプロジェクトに参加したこと、これらのすべての経験は大変貴重な財産となっています。」と述べました。

    また、「前任者のコンラッド・オスターヴァルダー氏が、国連大学の研究と学術分野の能力強化に尽力したことに感謝します。」と、言い添えました。「これからは、世界各国の国連大学の活動を啓蒙している研究チームへの造詣を深め、その研究チームに従事している教授陣や学生の皆さんとお会いすることを非常に楽しみにしています」

    マローン学長は、国連大学本部(東京都渋谷区)を拠点とします。

    国連大学は1975年にその活動を開始し、世界12カ国に活発に活動する研究所やプログラムを持つグローバルな研究・教育機関です。国連大学の最大の目標は、現在の世代が平和で自由、安全かつ健康で満足できる生活を営むことを可能にする、またそれによって将来の世代が同じ生活を営む力を損なうことがない、世界の持続可能な開発に貢献することにあります。

    国連システムの学術機関としてその任務を実行するにあたり、国連大学は、研究、教育、能力開発のほか、シンクタンクとして助言を提供することに重点を置きます。国連大学は他の国連システムの機関(機関、プログラム、委員会、基金、国際条約履行補佐の事務局)ならびに世界中の主要な大学や研究機関と緊密な協力関係を維持します。

    マローン国連大学学長へのインタビューをご希望の場合は、以下に掲載のメディア窓口のいずれかにお電話またはEメールでお問い合せください。

    • 牧 あすか、コミュニケーション・アシスタント(東京)
      Tel: (03) 5467-1212, E-mail: media@unu.edu
    • Katharina Brach、 コミュニケーション・アソシエイト(ドイツ)
      Tel.: (+49) 228-815-0285, E-mail: brach@vie.unu.edu

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    デイビッド・マローン国連大学学長の略歴

    2013年3月1日に国連大学に就任する以前は、デイビッド・マローン博士は、開発途上国における政策関連の研究支援、資金提供を行なう機関であるカナダ国際開発研究センターの所長を務めました(2008~2013年)。

    マローン博士は、カナダ国際開発研究センター以前は、国連経済社会理事会のカナダ代表、国連のカナダ大使および代表部次席代表を歴任しました(1990~1994年)。さらに、カナダ外務・国際貿易省(DFAIT)の政策、国際機関、地球規模問題局局長(1994~1998年)、ニューヨークの独立した研究・政策開発機関である国際平和アカデミー(現国際平和研究所)の所長(1998~2004年)、 カナダ外務・国際貿易省次官補(地球規模問題担当)(2004~2006年)、カナダの駐インド高等弁務官、ブータンおよびネパールの非常駐大使 (2006~2008年)を務めました。

    同博士はまた、ブルッキングス研究所の経済研究プログラム、トロント大学マッセイカレッジ、カールトン大学ノーマン・パターソン国際問題研究所の研究ポストに就き、コロンビア大学の客員研究員および非常勤教授、ニューヨーク大学ロースクールの非常勤教授も務めています。

    マローン博士は、モントリオール商科大学から経営学士号、アメリカン大学(カイロ)からアラビア語修了証書、ハーバード大学ケネディ行政大学院から 行政学修士号 、オックスフォード大学から国際関係の博士号を取得しています。

    マローン博士は、平和と安全保障問題に関して幅広く論文等を発表しています。近著に、 『Nepal in Transition: From People’s War to Fragile Peace(転換期のネパール:人民戦争から脆弱な平和へ)』(共編、2012年、ケンブリッジ大学出版局) や 『Does the Elephant Dance? Contemporary Indian Foreign Policy(ゾウは踊るか?インドの現代外交政策)』(2011年、オックスフォード出版局)などがあります。